[再学]柱焼酎仕込み | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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柱2951  

先日の蔵元交流会で提供した“柱焼酎仕込み” 皆様にはあまり聞き慣れない銘柄だったと思います 

私が口述で語源の由来になった醸造書“童蒙酒造記”を補足しましたが 「もう少ししっかり教えて欲しい」とのご要望が有り 補完的な意味で“柱焼酎仕込み”を再学します 

 

蔵元会に出席された方を対象として説明していますので 文章簡略ですがその旨ご了承下さい 

 
柱2953  

童蒙酒造記(どうもうしゅぞうき 作者不明/成立1687年頃) 
私が参考文献として紹介した童蒙酒造記は 江戸初期に成立した中世期の日本を代表する醸造技術書です 作者不明ですが文中に“鴻池流”の文言が散見される事から 著者は摂津鴻池流蔵元(伊丹杜氏/丹波杜氏の源流)に関連した番頭/杜氏(管理職)級の人物では?と推測されています 

 

童蒙酒造記は全五巻から成り その中で四巻の“伊丹流之隻(造り方)”項目に記された... 

 
柱2954  

赤線を引いた中の一句“しゃんとして足強く候”が柱焼酎(仕込み)の語源に為ったとされています 
 

江戸時代初期の清酒は現在皆様が嗜まれている清酒と比べ甘ったるく重い味(飲用味醂に近い感じです)で この甘ったるい酒質を粕取焼酎を用い辛口に仕立てた手法が既に確立されていた事も伺えます 

(現在の甘口/辛口表現とは全く主旨が異なるので その詳細はまた後日補足します) 

 

柱焼酎仕込みを現在施行されているアルコール添加の源流と捉える識者も多く 冷蔵機器が無く交通手段が拙出だった当時 酒造りには付き物の悩みタネだった“腐造”を解消する一手段であった事も分かっています 
 

上方で予め柱焼酎仕込みしアルコール度数を高目に設計した諸白(清酒)を江戸に運搬し 現地で今の酒屋に相当する合組師(ブレンダ―)が加水し味を調え 武士や殿様等目上の方々に献じていた…という仕組みです 

 
hasira  
“柱焼酎仕込み”の由来については以上ですが 実際どのような工程で造られているのかはやはり蔵元さんにお伺いするのが一番です 調整中ですが蔵元見学ツアーが実現したら その辺りをしっかり勉強させて頂きたいと思います 7月が楽しみですね♪