鹿沼公園と淵野辺駅南口のまちづくり | 相模原市議会議員 五十嵐千代(中央区・無所属)

相模原市議会議員 五十嵐千代(中央区・無所属)

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【鹿沼公園内への複合施設建設と跡地の開発】に関係する調査について反対をいたしました。これまで「調査」の段階で議案に反対をすることはほとんどしないのですが…。以下、反対討論の一部です。(反対したのは5会派中2会派です)

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淵野辺駅南口にある大野北公民館・まちづくりセンター、図書館、駐輪場など複数の公共施設を鹿沼公園内に複合化を前提に集約移転して、残された公有地を民間で活用し、そのことにより生み出される資金を基にPPP/PFI(公民連携)により事業の推進を図るための調査経費です。


この調査の問題と思われる点を大きく4点述べます。


1点目は【公有地の活用について、「売却を基本的な方針」とした上での調査】であることです。公有地の活用について複数の手法を調査するのであれば、それらの選択肢をフラットに評価できる前提が必要です。また、市民共有の財産として取得し、維持してきた公有地を「売却するという基本的な方針」が、市民不在のままに決定されていることも釈然としません。


2点目として、文教地区としての特性をはじめとする「ポテンシャル」を有した淵野辺で、どのような価値を生み出すのか、【地域性も踏まえたグランドデザインがない上での調査】であることです。PPP/PFIは手段であり目的ではありません。まちのグランドデザインによって、連携する民間は変わります。どんな民間と手を組むかが重要であり、建てて終わりではなく、長期的にまちづくりに関与できる高い公共意識と、センスのある民間と連携することが重要と考えます。民間のニーズを調査するとのことですが、まちのグランドデザインがないままでは、民間ニーズに引きずられたまちづくりになってしまう危険性があります。


3点目は、調査の中で、【駐輪場が移設及び跡地活用の対象】となっていることです。駐輪場を駅前から鹿沼公園内に移設すれば、駐輪場利用者は不便になり公園は狭くなります。また、自転車の流れが変わるこで、交通安全面や放置自転車の増加も懸念されていることころです。老朽化の問題もない駐輪場を公園内に移設することに、市民のメリットはあるのでしょうか?民間で活用できる土地の面積を増やすことでの財源確保と民間のニーズを優先に移転の対象としたのではないか、との疑義があります。


4点目は、【複合施設の建設が鹿沼公園内であることが前提での調査】であることです。広域避難場所に指定されている公園の面積を事実上削減することや、世代を超えて市民に愛され、年間約8万人の利用者がある交通公園が建設地として想定されていることに不安と不満、困惑の声が上がっています。鹿沼公園内への建設を方向づける前に、公園利用者や周辺住民の意見聴取をする必要があると考えます。


さて、この調査と平行して、市民意見を集める時間を十分に取らないままに、12月定例会への説明を予定した基本計画(案)の作成準備と施設規模を想定した大規模事業評価が進められています。こうした状況から、市が進めようとしている事業スキームの裏付けとして結果を利用するための調査であり、市民とともに、よりよいまちづくりをするための選択肢を導き出す調査ではないことも見えてきます。


鹿沼公園内への複合施設建設に対して市民の方から届いたメールを一部紹介します。

「鹿沼公園内の交通公園は、全国でも珍しいタイプの施設で、子どもたちが交通ルールを学んだり、安心して豆自動車やゴーカートにも乗れ、我が家の子どもも含め、多くの子どもたちの成長に役立ってきたと感じます(中略)子どもたちや、その保護者たちは、声の上げ方すらわからず、まとまることもかなわず、存在も無視されてしまうのかなぁと、さみしい思いをしています。」


どうか、こうした声に真摯に耳を傾けてください。人に積極的に選ばれる街は、市民の声を受け止め、市民とともにまちづくりに向き合う、そうした姿勢から形づくられていくものではないでしょうか。


まちづくりの選択肢は一つではありません、行政が提示した1つの事業スキームを強力に打ち出す前に、市民の声に耳を傾け、複数の選択肢を導き出したうえで、最適な選択するよう求めて、反対討論といたします。

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