本日は、

広島最古の喫茶店最終日でした。

開業は、昭和10年10月10日だそうで。
鷹野橋の電停の前に昔からあります。

その歴史に幕をおろすのを見届けてきました。なくなると思うと寂しくなる…という、身勝手な人間らしい気持ちで。
同じく寂しがるマダム達が、開店前から並んでおられました。


ここ、私が広島市で暮らし始めた30年前には、既にレトロな佇まいでした。
ケチケチ生活を送っていた学生時代、友人と「ちょっと贅沢しよう♪」ってお茶しに行った思い出のお店。
注文したのはクレープだったかな?と思い起こしつつネットニュースを見ていたら、広島で初めてクレープを焼いた店なんですって。
そこでその時出てきたコーヒーがミルクピッチャーより小さかった(ミルクピッチャーが大きかったのかな?)もんだから、一緒に行った友人が目ん玉ひん剥いて驚いていたあの顔、忘れようと思っても忘れられません。

喫茶店の名前、『房州』って呼んでたんだけど、気がつけば看板が変わっていて、店名がポワブリエールだけになってるもんだから、「2階の喫茶はもうやってないのかな?」と勝手に思い込んで行かずにおりました。


久々に行ったけど、内装は記憶のまま。
窓から見えるのが、ベージュと緑(またはエビ茶)の古参の市電じゃなくてグリーンムーバーなのが時の流れを感じさせます。
記憶よりもコーヒーは大きく、ケーキは小さく見えました。

あと、パンも売る店になってた!
どうりで、ここらで拾ったピクミンの苗が「ポワブリエール付近のパン屋のピクミン」に育つわけだ。
知らなんだ。思わずパンも購入してしまう。
ケーキは甘さ控えない系、パンも塩気を抑えない系で、美味しかったです。


と、名残りを惜しんで来たわけではありますが、実は、もう食べられなくなるわけじゃないんですよね。
お会計の時、舟入本店の割引券もらいました。

そうそう。数年前、高校生だった娘が「ポワブリエールってお店に美味しそうなケーキがあるから、友達と行ってくる♪」と出かけて行ったことがあって。
てっきり鷹野橋に行くのかと思ったら、舟入にも店舗があると言うので、へ〜!ってなったのですよ。舟入本店ですって。
いつの間に、後から本店作ってるの?という話。


それからそれから、
完全に話がそれるけれど…
同じく鷹野橋で、社会人になりたての頃にお気に入りだったお店がありまして。
コスパの良い定食を提供してくれていた『喜久屋』さん。にゅうめん定食が大好きだったのに、ある日火事で焼け落ちて、なくなってしまいました。
火事の翌日、仕事で仕出し弁当を注文していたという同僚によると「喜久屋さんから『すみません、焼き場が焼けまして』って電話がかかってきてびっくりした」とのこと。
その後、舟入で仕出し屋さんをされてますね。お弁当もとても美味しいのだけれど、最近、研修なんかもお弁当出さなくなっちゃったし、お目にかかる機会がない。定食が懐かしいよ。
そんで、何故にこのお店も舟入へ?

鷹野橋からどんどんお店がなくなるな〜。
こうせつ市場もうどん屋さんも映画館も…
かくなる上は、「モーニング発祥の店」と名乗る『ぶらじる』に頑張ってもらいたい!

先ほどの房州(あえて昔の名前で呼ぶ)がヨーロッパ的高級感を漂わすのに対して、こちらもレトロではあるけれど庶民派。


変わりゆく商店街の入口で、ここだけ雰囲気変わらず。私の学生時代の記憶のまま。

パン屋さんだから、モーニングにどっさりパンが出てきて満足度が高いのです。


ここなくなくなったら、もう商店街って呼ぶのやめるわ。