今日は点滴の日なので、
家で読書などして過ごしました。
最近、歳のせいなのか何なのか、
新しい本・映画・音楽を発掘するよりも、
昔読んだ・観た・聞いたものを
再び手に取ることが
増えました。
今読み返しているこの本も、
20年近く前S状結腸がんで闘病していた頃に読んだ本。

「死ぬ瞬間〜死とその過程について」
エリザベス•キューブラー•ロス著
タイトルはなにやら扇情的ですが、
中身は、精神科医キューブラーロスの患者への死に関するインタビューで、1960年代の話ですが、今にも通じる普遍的な内容になっています。
彼女の提唱した、死の受容過程(5段階: 否認→怒り→取引→抑うつ→受容)は有名ですよね。
昔の自分が、所々
赤でマーキングをしていました。


「患者は、病気が重くなると、しばしば意見を言う権利のない人間のように扱われる」
「物のように扱われはじめる。彼はもはや一人の人間ではない」
こんな箇所に赤マーカー引くなんて(苦笑)。
ただ当時の私は、そのように感じていたのでしょう。
実際、私は、S状結腸がんで、通常は大腸全摘はしないのに、2度目の手術時に主治医と両親の間で勝手に話を決められ、大腸を全摘された経緯があります。
現在では一般的でないですが、20年程前には、全摘すると5年生存率が上がるという学説があったそうです。
両親も良かれと思って判断してくれたのだと思いますが、若かった私は、大腸を全摘されることによって身体に傷がつくことや生活の質QOLが低下することの方がよっぽど嫌で、なぜ私に断りなく方針を決めたのか怒りました。
で、この問題。。
今あらためて考えても、
すごく重要なテーマだと思うのです。
この本から半世紀経ちましたが、
現在の医療現場にも、なお残る問題かと…。
患者の意見を聞いてもらえない。
物のように扱われる。
昨年のR病院での体験を
思い出します。
私が質問すると、都合が悪いとすべて、主治医に無視されました。
処置室で、お尻のカテーテルの糸を縫う際に、
主治医と研修医に「長過ぎるよ、これ〜」とゲラゲラ笑いながら処置をされました(悪ふざけというか、患者に失礼な態度でした)。糸が長過ぎてカテーテルが固定されずグラグラしていると訴えましたが、「これが普通ですよ」と言われ無視されました。
病院は、わりと閉鎖的な空間なので、
そこで自分の身体に不利益な扱いを受けると、
正直けっこう恐怖を感じます。
介護施設でお年寄りが虐待された話を
ニュースで聞いたりしますが、
あながち他人事ではなく思えてしまう。
そんな今日この頃です。
もっと患者の声を聞こう、と唱えた
この本は、
終末医療に携わる医師の必読本
になったそうですが、
その姿勢は、もっともっと、
医療現場に浸透していって欲しいなぁ。。