グリーの分析 | もしかしなくても株中毒?

グリーの分析

【2011年11月最新版】直近決算発表に基づくmixi、GREE、Mobage、Amebaの業績比較 2011/11/16
http://media.looops.net/saito/2011/11/16/mixi_gree_mobage_ca/


1ヶ月前の記事ですけど、面白かったですよ

2011年7-9月期のグリーの成長が、会員数の伸びではなく、
ARPU(会員ひとりあたりの月売上高)の伸びで達成したと確認できただけでもためになりました。


思わず触発されて、自分でもいろいろ調べてみたので、ちょっとまとめてみます


・2011.1Q(前期) → 2012.1Q(今期)
 売上高   12410 → 30432 +145%
 営業利益  6221 → 16646 +168%
 純利益   3695 → 9449  +156%


売上、利益は1年間で約2.5倍の異常な成長を遂げています
その間に、株価も3.15倍になっています


 2012.1Q決算発表日2011年11月2日 翌日終値 2779円(+215%)
 2011.1Q決算発表日2010年11月1日 翌日終値 882円


この成長の原因は何か?
アナリストの解説だと以下の2点が多かった気がします


 1.携帯ゲーム市場の拡大が続くとの経済予測
 2.スマートフォンは多機能携帯よりも月当たりのアプリ購入額が大きい傾向がある
 (※ ARPUについて言及している分析はありましたが、
    その内情についての解説は不十分だった気がします。
    私が気がつかなかっただけかもしれませんが、笑)


でも、なんか変な感じがしたんですよね

1.に関しては、ユーザーの増加を前提にしているケースが多い
しかし、実際には会員数の伸び率は低下傾向にある。


・2011.1Q(前期)時点 → 2012.1Q(今期)時点

 世界会員数 6288万人 → 1億5500万人 +147%
 国内会員数 2246万人 → 2759万人 +23%


グリーは1億5千万人の会員数を自慢してますが、あれはハリボテです。
中身は、ほとんどが海外のOpen Feintユーザーです。
そして、Open Feintユーザーは、ランキングなどのプラットフォームを
利用しているだけなので、ほとんど利益を上げていません。

収益のほとんどを国内ユーザーが生んでいるのですが、
それの増加数は頭打ちになっています。


・四半期ごとの国内会員増加数

 2012.1Q +118万人
 2011.4Q +135万人
 2011.3Q +123万人
 2011.2Q +137万人
 2011.1Q +187万人
 2010.4Q +216万人


 ちなみに、ピークは2009.4Qの+252万人です


2.に関しては、スマフォのアプリ購入額と携帯ゲーム課金額の関係は証明されていません。
単なる連想で、無理矢理に結び付けた印象があります。
むしろ、ゲームの選択肢が増えるスマフォだと、他のサイトに行きやすくなるためマイナスな気もします。
ちなみに、モバゲーはPC版もありますが、PCになると携帯よりもかなり課金額、課金率が低下するそうです。


変だなぁ、と思っていたところに前述のサイトを読んで、やっと理由がわかりました


>特に課金売上におけるGREEの成長は目覚しく、わずか半年で2倍近い伸びとなった。
>牽引したのは「ドラゴンコレクション」「ドリランド」に代表されるカードバトル型ソーシャルゲームの大ヒットだ。
>従来型ゲームと比較してそのARPU(Average Revenue Per Payed Users、課金ユーザー1人あたりの月売上高)
>が50%ほど高いことに気づいたGREEは、内製ゲーム「ドリランド」を素早くカード型に対応させ、
>TOKIOを起用したテレビCMを大量に投入した。
>また同じくGREEのオープンゲーム・デベロッパーも素早くカード型ゲームシステムを採用、
>今やGREEゲームランキングのトップ10はすべてカード型が独占するに至っている。


結局は、カード集めゲームとガチャ課金が成功して、ゲームにお金を使う人が増えたわけです。
アナリストが言うような大きなパラダイムシフトではないようです。


つまり単に、ゲームのヒット作が連続しただけのことです。


競合他社のDeNAは、10月31日の決算発表を受け株価が暴落しました。
直前の四半期よりも、わずかに利益が下回ったというだけの理由です(営業利益-3%、純利益-13%)。
しかし、グリーは直前の四半期から営業利益+70%、純利益+66%という驚異的な伸び率でした。


これだけ見ると、グリーは成長持続で、DeNAは成長終了に見えるかもしれません。
でも、グリー成長の主な理由が、ARPUの増加だけだとすると話が変わってきます。


http://media.looops.net/wp-content/uploads/2011/11/ARPU2-e1321218237969.png
またもや前述のサイトを参照なのですが、2010年10~12月期のARPUは、
グリーが約200円、DeNAが約350円で1.75倍も違います。
それが、2011年7~9月期になると、グリーが約360円、DeNAが約320円と逆転しています。
グリーが成長、DeNAが停滞に見えるかもしれませんが、
ARPUに関しては、やっとグリーとDeNAが同レベルになっただけです。


ここから、さらにグリーが同じ勢いを持続して成長する?
アナリストはそう言いますけど、どうなんでしょうねぇ・・・・
ヒット作が続いているため、まだ成長は続くと思いますが、
一人が課金できる限界というものはあると思います。
個人的には、以前と同じペースでの成長はさすがにきついと思うのですが。