観に行くつもりなかった&大画面で観たくないキャストが1名いたから……音楽    坂本龍一&世界のナベケンというどう考えても私得な映画だったんですが約1名、大画面で観たくないキャストがいたから観ないでおこうと思った


映画「怒り」

なんで観に行ったかと言えば、観たかった映画に間に合わなくて、このまま帰るのが癪だったからという、まあーなんとも見事なまでに自分勝手な理由です。


性格上20%、50%ネタバレなんて、そんな器用な真似は出来ませんので……120%ネタバレで最後まで突っ走って感想お届けしたいと思います。



なので……ネタバレ駄目な方は此処でバックしてください。





では感想いきます!














150分という上映時間に、観る前はウンザリきましたが……3つの話がリンクして結構大忙しなんで割りと最後まで集中できました。


怒りという映画を簡潔にまとめると、1年前に起きた夫婦殺人事件の容疑者である山神に似た3人の素性不明の男たちが、千葉東京沖縄に現れ、それぞれの土地の人と交流を深めていくわけですが、素性不明 という不気味さに加えて、公開捜査された残忍な夫婦殺人事件の容疑者に似てるという要素も加わって目の前にいる男は山神ではないかという疑惑を持ってしまう。

信じてはいるが、1度持った疑いは消えない。

果たして、自分が愛した、信じた男は、ただのわけあり男なのか?
それとも残忍な殺人犯なのか?


千葉編と東京編は上手く、殺人犯ではないかという疑惑とリンクしてましたが……沖縄編はそれが機能してなくて、正直その設定いる?泉ちゃん(広瀬すずの役)そこまでヒドイ目に遭う必要ある?みたいな感じでした。しかも沖縄編の素性不明の男が夫婦殺人事件の容疑者の山神なのに。あんな大胆な事件起こしといて、最期は未成年に、人畜無害そうな泉ちゃんのBFの大学生に刺されて死ぬって……しかも凶器が自分の鋏って……。







私は原作未読なので、もしかしたら原作では上手いことリンクしてたのかもしれませんが……そこだけ、すごい剥離感半端ない感じが……。



ざっくり、乱暴にまとめるとそんな感じですので、3つの地域、千葉、沖縄、東京に分けていきたいと思います。


まず千葉編。
登場人物は
愛子(宮崎あおい)
愛子父(渡辺謙)
素性不明の男  田代(松山ケンイチ)
飛鳥(池脇千鶴)


家出娘の愛子の捜索をNPO法人に依頼した、愛子父は歌舞伎町の風俗街で働いている愛子を発見したとの報を受けて、歌舞伎町の風俗街まで愛子を迎えに来ます。


NPO法人から送られた地図を片手に、ウロウロする愛子父が本当に片田舎の漁村のオイチャンにしか見えないナベケン&風俗嬢ショットの宮崎あおい見れるのは、この映画だけだと思う。


愛子を連れ帰る愛子父……帰りの電車の中で気まずいの何の。
そりゃ、久しぶりの対面が、どう考えても客の相手し終わりました感満載のベビードール着てる娘がベッドに横たわってました……ではムリもない話。
普通の感覚持つ父親なら死にたくなるか、娘殴る場面ですが(といっても私、男じゃないから、間違っているかもしれないけど)、愛子父は何故か怒らない。


沈黙が気マズすぎて「夕飯、寿司でも取るか?」なんて言い出しちゃう。
愛子も愛子で、「父ちゃんのオニギリで良い」とか言っちゃって「父ちゃんも聴いて!これ私の好きな東方神起!」と片耳のイヤフォン渡して、ふたりで東方神起聴くとか…………。



いや、東方神起を一緒に聴く前に先ずは、父ちゃんに謝れや愛子(怒)。

地元の駅に迎えに来ていた飛鳥に、「いい加減にしなさいよ!」と怒られていたので良しとしよう。ただ、飛鳥の口ぶりだと、愛子は数回家出を重ねている模様。

ここでも愛子を庇う愛子父……。
外見がナベケンなせいもあるけど、何でこんな甘い上に特に家出したくなるような衝動にからせるような性格もしてない父親の元から何度も家出してるんだ愛子?



帰り道で、愛子と入れ違いに漁協に来たというアルバイト2ヶ月目の田代と出くわす。漁協でのアルバイトのかたわら飛鳥の子供たちにサッカーを教えてる田代。
飛鳥と愛子父とは会話するも、田代と愛子は会話せず顔を見ただけ。


やがて、愛子は父親の弁当を届けにくるうちに田代と親しくなり、同棲するまでの仲になる。


愛子父も愛子が可愛いのか、まだ2ヶ月目のアルバイトの田代に正社員にならないかと話を持ちかけたり(田代の働きぶりが尋常じゃない位に良かったかもしれないが)、アパートの保証人や名義貸したり(家賃は愛子たちが払う)、愛子の過去(ちょっと頭が足りないところや風俗嬢勤務の過去)を話したりとか……(後でバレて逃げられたら愛子傷付くって……思ったんだろうね。)


意外なことに田代は愛子から、愛子の全てを聞いていて、田代も「愛子といると安心して何でも話してしまう。」と自分の過去は打ち明けた模様。


ここでナベケンの「男は良いんだ。男はどんなに女抱き散らかそうと、ヒモになろうと男はそれでも世間が許してくれる。だけど女は駄目だ。女がそうなると世間は許さない。」的な台詞を吐いてましたが……ナベケン…………それは男でもアウトです。梅宮辰夫じゃないんだから







どうも田代、親の残した借金でヤクザと金貸しに追われ、偽名で働きながら転々としていたことが発覚。

愛子に告げるも、田代は愛子には本当のことを打ち明けていたようで愛子はそれを承知でいるとのこと。


とうとうアパートへの引っ越しの日がきて田代の運転する軽トラックで、愛子と田代は新居に。

その日、寂しいから呑んじゃったのか酔いつぶれて寝ていた愛子父は、遊びに来ていた飛鳥の子に起こされて、「田代のお兄ちゃんがテレビに出てるのかと思った。」と愛子父を起こす。


愛子父の目に飛び込んだものは、1年前の夫婦殺人事件の容疑者である山神が整形して逃亡しており、整形後の山神の顔が田代に似ているという事実だった。


・歩くと猫背になる。

・左利き。


山神と田代の顔だけではない共通点も見つけた愛子父は、疑惑を深めて、悩むあまり飛鳥に打ち明ける。



飛鳥は、愛子に山神と田代が似ていることも含め問いただすが、田代は嘘はついていないと田代の全てを知っていると話す。


それを伝える飛鳥。
愛子父も信じようと気持ちを新たにする。


田代の身の潔白を証明するために、自ら「山神に似た男がいる。」と警察に通報した観客の思考の斜め上の行動をする愛子。
「殺人事件に関係ないなら一緒にいて。警察の取り調べを受けて。」と田代に話すが、田代安定の逃亡。そりゃ逃げたくなるわ。


結局、山神と田代は別人であることが判明。判明しても田代は帰ってこないと号泣する愛子(お前はバカか?)

40万貯金して、出掛ける田代のカバンに忍ばせる知恵があるなら、他にやりようがあるだろうと(こっそり取った指紋とか書いた文字を警察に持っていくとか)頭が足りない設定なのに所々、妙に知恵が働くから、イマイチ愛子に同情出来ない。


結局、田代から連絡がきて、電話を代わった愛子父の言葉でまた漁協に帰ってくることに。
私に言われた訳じゃないのに「お前ひとりで良く頑張ったよ。俺に出来ることは何でもしてやるから戻ってこい!」って……愛子父の言葉と田代の涙に泣いたわ。


どうでも良いけど、ラストの田代を迎えに行った愛子のアップが怖かった。何故か。





沖縄編。
登場人物は
素性不明の男  田中(森山未來)
泉(広瀬すず)
泉のBF



沖縄編。真犯人が出てくるのに妙に、夫婦殺人事件との剥離感が半端ない感じ&夫婦殺人事件のイカれた真犯人が死のうが生きようがどうでも良いけど……泉ちゃんのBFに殺させる意味が分からなかった。
半殺し位で通報で良いんじゃないかと?
泉が米兵にレイプされる意味は?(広瀬すずは頑張ったとは思いますが)


沖縄編の話は、母親の男性トラブルが原因で本土から沖縄の離島に移住してきた高校生の泉は、旅館の息子である大学生のBFに連れられ無人島に行く。


そこで沖縄を転々としているというバックパッカーの田中に出会う。


田中と交流する泉は、離島にも馴れてくるが、BFに誘われて那覇に映画観に行った際に田中と再会(多分、国際通り?)し、夕食をBFと共にするが、ここでBFかなり泥酔(しかも未成年)、泉たちは日帰りで、田中は那覇に泊まるため、一旦別れる。
田中はBFが泥酔しているからフェリー乗り場まで送ろうと提案するが、泉もBFも大丈夫と断る。

これがのちに、とんでもないことになるが……送ってもらったとしても


田中(山神)「泉が米兵にかなり前から目をつけられて、そこから見てた。」

とか後に言っちゃうような鬼畜だから送ってもらっても一緒だったかもしれない。


泥酔したBFが吐きに行ったのか、一瞬姿が見えなくなり、泉は探すために奥へ奥へと行くと……米兵の溜まり場に行き着いてしまう。


流石にヤバイと感じたのか、慌てて住宅地を目指すが、コレが逆効果で、実は米兵(黒人)2人組に付けられていた泉は、人気のない公園(ってもすぐ近くに家があるんだけど)に連れ込まれ、抵抗むなしく米兵に押さえつけられレイプされてしまう。


今年始めも事件あったし、12才の少女に米兵3人ががりでレイプした事件とか過去にもあったの思い出して



米兵、マジ●んで(ただし犯罪者に限る)



とか思ったわ。それくらいリアル。
元気ピュアな可愛い広瀬すずが好きなファンはマジで観に行くの止めた方が良いと思える位のレベル。




あ……何か……もうこういう事する男は本当に……チン●もげろor生きながら腐り落ちてしまえ激痛付きでって……願います。本当に……本当に……。








うちも米基地が近くにありますが……(ありますがって……も隣の隣の市だけど)あっても騒音問題位で事件ないのは、やっぱり内地(本土)だから?

前々から思ってたけど、絶対内地と沖縄で送る人間をアメリカ本土は選んでるんじゃないかなと勘繰りたくなる。

だって沖縄ばっかりじゃない事件起こるの。



故人に鞭打ちたくないけど、「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」でも「1970年代の沖縄は我々海兵隊(米兵)には天国だった。犯罪を犯しても誰も罰せられなかった。」って触れられてたし……まさか未だに1970年代で米兵の価値観がストップしてるのかと思うとゾッとする。



話が脱線したので元に戻して……この件で泉は深く傷付き、BFも思い悩む。




というか君が泡盛呑まなきゃ120%何も起こらなかったけどね。多分。


泉のBFの旅館で働き始める田中は、最初こそは評判も良く、山神の特集番組観ても、誰も田中=山神にならないレベル位に信用されるが(信用されすぎだろう。)ある日いきなりキレて旅館内のものをブチ壊して逃亡。


島に逃げ帰る田中を追いかけたBFの目に写ったのは、田中が根城にしていたコンクリートの建物の壁一面に刻まれた



「怒」





の1文字と、鋏で黒子を切り落とそうとする田中の姿だった。

ここからは、もう田中というか山神の独壇場でコイツ、マジおかしいの一言。

血の巡りと感情のコントロールが効かないだのなんだの世の中関わってはならない人間がいるという言葉が本当にあるんだということを思い出させてくれる田中……いや山神……いや森山未來の怪演ぷり。




しっかりしろ!お前!藤本幸世(モテキ)だろう!永遠のDTだろ!目を覚ませ!







話戻して……昔の土木現場の仲間からの話で、夫婦殺人事件の動機が判明。


理由は、派遣会社か自分のミスで間違ってきた場所でムシャクシャしてた所、親切に冷たいお茶をくれた被害者の妻の親切を自分を哀れんで見下していると感じたからという、ものすごくカッ飛んだ理由でした。



親切にして殺されるとかないわ。動機が麦茶って……。


山神の価値観は、親切にされる=見下されているという認識で、自分が底辺だから、自分より下の者や見下す者をつくっておかないと人格が保てないという厄介な性癖で、親切にされた=見下されている=発狂→殺害というどう考えても狂ってるとしか思えません。本当にどうもありがとうございました
としか言いようがないクズっぷりです。

で、殺したあと生き返らせようと何故か風呂場に被害者の妻を連れて行き、モタモタしてる間に被害者の夫が帰宅し、被害者の夫も殺害。

というか、この事件……場所間違えなければ、麦茶やらなければ起こらなかったってこと?うわっ……救われねぇ……。

独自の理論展開で、続く山神独演会。
首絞められたり、壁に打ち付けられたり大混乱の泉のBF。

しかし、泉が米兵にレイプされている様子を見ていたという山神にキレて、山神の鋏で彼を刺す。

山神は建物の外に逃げ出し、BFは山神が書いたと思われる壁の文字に釘付け、発狂したように、その文字を消そうとする。

そこには「米兵が女をヤッていた。女気絶。知り合いの女だった。マジウケる。」の文字が刻まれていた。


山神死亡で、あっけない幕引きを向かえた夫婦殺人事件。
山神を殺したBFは「信頼していたのに裏切った、それが許せなかった」と繰り返す。泉は再び島を訪れ、BFが懸命に消そうとしても消しきれない壁の文字を見て絶叫するのだった。



沖縄編……とにかく重かった。






東京編。
登場人物は
優馬(妻夫木聡)
素性不明の男  直人(綾野剛)
直人の幼馴染み(高畑充希)


実は言うと個人的には東京編が1番好きです。ゲイ同士の話なんだけど渡辺謙さんが仰るように東京編が「1番純愛」でした。
個人的には、これだけ独立して90分か120分の映画で観たいくらいでした。



最初、プールか何かでド派手なゲイ専用パーティーに参加している優馬。
お給料もかなりいい仕事について、ゲイであることをオープンにしており、ゲイ友もいて、人生を謳歌しているようで、末期ガンの母親がホスピスで療養中という、それなりに背負った人物。



ある日、ハッテン場(ゲイ同士が恋人見つけたり、ワンナイの相手探す場所)で、出会った直人に興味を持った優馬はかなり強引に関係を結ぶ。



いや、ハッテン場も「どう見ても完全にヤリ目」みたいな刺激的な場所で、舞台「娼年」で松坂くんの生尻観て免疫ついたかな?と思ったけど、それでも、かなり動揺するような雰囲気なのに




何の準備(何かは聞かないで)もしないで、直人に突っ込むとか……しかも優馬しっかりゴム付けてるし、本当に……自分のことしか考えてねえなぁ……と思いつつ




綾野剛の尻、大丈夫かと本当に心配になった(というか直人のか)




うわ、こいつ本当に自分のことしか考えてねえな……それが優馬の第1印象でした。
ワンナイ相手にそこまで気を使わないのが普通なのかな?(でも最低)日本には一期一会という言葉があってだな……(何か違う)



そんな最低な出会いだったけど、ナンダカンダで優馬の部屋で暮らし始める直人。


母親のこともあってか、今まで生き急いでいた優馬も直人の浮世離れしたユルイ?優しい?雰囲気に癒されて、平日は定時帰宅とかしちゃったり、土日は直人にベッタリと貼りついて過ごすくらいに、直人にベタ惚れ(本人認めてないけど)


悪いけど、好きでもない奴に土日貼り付かないよ優馬。


「行くとこないから置いてるだけ」

「今、相手居ないから置いているだけ」


とか、お前!優馬!それツンデレだから!

最初の最低な出会い方からは想像できないくらいにイイカンジに。


今まで誰にも話してなかった母親の話とか直人にするくらい気を許してるのに、恋心認めてないなんて、優馬お前かなり可愛いぞ&直人はそれが分かってるから、優馬の子供っぽい部分ごと包み込んでる感じが……お前ら初恋か!みたいな。




最初は母親の見舞いに直人を連れていくのに難色を示した優馬。
結局、連れていくし、紹介しちゃうんですけどね(友達として)



優馬母に気に入られたのか、直人かなりの頻度で優馬母に会いに行って、
優馬もそれを見守りながら感謝してるという……お前ら初恋か!初恋だよな! みたいな。




そんな幸せな日々が続くはずもなく、優馬母の死をキッカケに直人と優馬の間に亀裂が少しずつはいっていきます。



どんなに愛し合って、心許しあったところで、優馬と直人は男同士。
まだまだ偏見がある日本では、関係が続けていくのが難しいという現実にブチ当たります。



優馬母の葬式で、大学や高校の友人に親戚、仕事関係も来るからという理由で、優馬は直人をどう紹介していいか分からないから直人に来なくて良いと言ってしまうのです。



優馬がオープンにしているのは、あくまでも、東京のゲイ友と一部なんでしょうね……きっと。

あと、あくまでも憶測ですが、例え建前でも優馬は直人を「友人」とは紹介したくなかったんじゃないかなと、例え「友人」と紹介しても分かる人には分かる位に、直人が愛しくて愛しくてしょうがなかったのかなと。


それも理解してるからか、責めずに「仕方ないよ。分かろうとしない人には、
どんなに説明しても分からないから時間の無駄。」という直人が切ない&男だけど聖母すぎる。


母親の墓の前で


「一緒に墓入るか?」

なんて直人に言っちゃう優馬。
それプロポーズだから!

次の瞬間、冗談にしちゃうのが優馬の悪いところなんだけど……お前、素直になれよ。



母親の葬式のあとに、ゲイ友の家が空き巣に連続で入られる事件があり、手口も同じであったことから「同一犯で、意外と共通の知り合いではないか」とゲイ友に言われる優馬。

最初は気にも止めなかった優馬だが、あるカフェで楽しそうに女性(高畑充希)と喋る直人を目撃。


嫉妬からの疑惑で、今までしなかった直人の行動に探りを入れる優馬。


このシーン観て思ったのが、優馬もこの関係を永続的には思ってないにしても、両思いくらいには思ってるのかな?と思いましたが……何か、こう……直人が誰かといるだけで、一杯一杯になる位に直人が好きで、結局、この関係は優馬の片思いなのかなと。


直人、本当に……どっかフラッと行っちゃいそうな位に、掴み所がなくて儚い印象なんですよね(だからと言って、いい加減な感じはしない)


優馬が好きになりすぎて、直人に同じくらいの好きを求めて、そうしてくれないと信じられない、信じたいから信じさせてくれと全身で訴えてるのに……直人には見えない壁があって……多分それは一生乗り越えられない……変わらないんだろうなと。


人を好きになり過ぎて、自分の形を保てないくらいに好きになってしまったんだな優馬は直人を……ただ、自分の形を保てないくらいに好きになってしまった恋愛の結末は破滅しかないんですけどね……。



そんな優馬に直人は「一緒に墓入るか?」の話を出してきて「今は隣に並べたら良いなと思う。一緒は無理でも。」と呟く。



優馬がキレてパニクって、直人が受け止めて宥めて受け入れて、また日常が続いていく、いつものパターンにと思いきや、直人は翌日、優馬の部屋から消えてしまいます。



失ってしまって初めて直人への思いを自覚する優馬は、直人の携帯に何回も連絡を入れます。


優馬……お前本当に……学習しない男だな。






            ↑優馬の前世。



ある日、インターネットで調べた夫婦殺人事件の犯人が直人に似てると気づく優馬。


そんな優馬に警察から電話が「直人を知らないか?」という問い合わせに、優馬は知らないと電話を切り直人の私物を全て棄てます。(いつ帰ってきても良いように残して置いたんだね……切ない)


直人は逃亡中の殺人犯だから自分の前から姿を消したのかと茫然自失で街をさ迷う優馬は、偶然、直人が楽しそうに話していた女性に遭遇、直人の行方を聞き出そうとする。

もう、この場面が完全に女房に逃げられて相当参ってる旦那そのもの。


女性は直人の幼馴染みで、同じ施設で育ったと話す。

直人は生まれつき心臓に持病があり、根治出来ないから薬で騙し騙し生活していたらしい。



それなのに、心臓に相当負担がかかるセックスを優馬としてたなんて……それ至上の告白じゃんか優馬……お前、愛されてたよ。



しかし、直人は1ヶ月前に公園の植え込みに倒れるようにして亡くなっていたのでした。


優馬に母親に続き、自分まで看取らせる訳にはいかないと、死期を察した直人は自ら消えた。これが直人がいなくなった真相でした。



それを聞いた優馬は号泣。
一生トラウマ抱えるんじゃないかというレベルの落ち込みよう……。


看取らせてやったほうが優馬は、その後、きちんと立ち直って生きていけたんじゃないかと私は思うよ直人。


死期を察していなくなるとかネコじゃないんだから直人(ある意味ネコだったけど。)


優馬の、この後の人生が私は1番心配です。

結局、優馬も直人も、お互い両片思いだったんですね。本当は両思いなのに切ない。両思いであっても、多分、直人の病気がなくても、このふたりは何れは別れるだろうけれど……それでも幸せを願わずにはいられないふたりでした。


スピンオフでも良いから、優馬のその後とか、直人視点の優馬との生活とか観たいなと……無理だろうけど。


東京編が1番切なかったです。


ブッ飛びながらお送りしました「怒り」の感想、ここまでお付き合いありがとうございました!

個人的にはお金払っても損はないし、胃もたれしますがオススメです。
ただし、ひとりで行くのが良いかも。
テーマ重すぎて受け止めるので一杯一杯になりますが……終わったあと、誰かと感想言いたくなる、そんな映画でもあります。


あと、やっぱり坂本龍一サイコー!