こんばんは。

宝塚市議会議員の伊福よしはるです。

今日は、午前中にたからづか真政会で来年度の予算編成に対する提言書を提出してきました。

内容は、先日開催した「たからづか未来会議」で頂いたご意見や各議員が日頃から提言しているもの計42項目にしてまとめました。
 

 


2019年度宝塚市予算編成に対する「たからづか真政会」の提言書


 平成29年度決算は黒字でしたが、厳しい財政状況は以前と変わりません。

 今後行われる予定の大型事業は、新庁舎の建設で約50億円、中央公民館の第2期工事で約4億円、長尾中学校の体育館建て替えで約15億円、荒地西山線の道路建設で約21億円と多くの予算が必要となるのに加え、クリーンセンター建て替えには用地取得、付帯設備含まない場合でも約250億円、すみれ墓苑の収支不足が平成36年以降、数十年に渡って毎年7600万円、市内の古くなった公共施設の建て替え等に、毎年約68億円が必要と言われています。
また、市立病院においても、今年度キャッシュが不足し3億円の長期借入を市に申し入れているなど、経営が安定しているとは言えない状況にあり、まだまだ厳しい状況が続くことは、誰の目にも明らかです。
 さらに、今後ますます増加する社会保障関連の費用は、とどまる所を知りません。宝塚市では、この5年間で毎年平均約13億円ずつ、民生費が増加しています。今後も毎年、平均約10億円前後で民生費は増加していくでしょう。

 一方、市の歳入に関して言えば、今後人口がますます減少し、少子高齢化が進むなかで、市民税を中心とした市の収入が増えていくことは期待できません。良くて横ばいか、少しずつ右肩下がりに減少していくのは目に見えています。
また、市の見通しどおり、地方交付税も同様で良くて横ばいか、少しずつ右肩下がりに減少していくことになるでしょう。
さらに、これまで市の財政を支えてきたと言っても過言ではない「基金の取り崩し」も限界に来ており、歳出の増加に追いつけず、年々、収支不足が広がる可能性が非常に高いと言えます。

そんな中、財政見通しには未だ収支不足があり、現在その収支不足を改善する手立てはたっていません。市民福祉金を廃止するなど、市民にも大きな影響を与えていながら、大型事業を連発する市政運営に対し、批判の声が多くあがるのも無理はありません。ですから、中川市長には、行財政改革をやり切り、財政再建を果たす責任があります。財政再建に尽力されることを強く要望します。
 我々たからづか真政会は、数度の意見交換会を行い、多くの市民とともに厳しい財政状況や宝塚市のあるべき姿について議論し、意見交換を行い、様々な要望、提案を頂きました。
それらの内容に加え、各議員が日頃から提言している事柄に関しても本提言書にまとめました。

 以上より、2019年度の予算編成に対しては、以下42項目の提言の実現に向け、少しでも前に進めていくことを求めるものです。


1. 行財政改革 ~まずは財政再建から~
 ここ数年、財政見通しは常に収支不足の状態です。第2次宝塚市行財政運営アクションプランを確実に実行し、この状況を改善することが重要です。
 また、長期的視点を持ちつつ、常に新しい技術や考え方を取り入れ、効率的に行政運営を行うことも同様に重要です。そのためには、大胆に投資を行うことも必要です。
 以上のような考えから、以下18項目の提言を行います。

<財政緊急事態宣言の発表>
1    福祉や教育に関する事業を削減し、市民へ負担をしいるのなら財政緊急事態宣言の発表し、市民の理解を得ること。

<民生費の抑制>
2    他市に比べ高い民生費の割合の抑制をすること。
3    医療費を削減できるよう、目標値を定め、予防医療を政策的に推進していくこと。

<人事・給与改革及び働き方改革>
4    真に頑張る職員が報われる公務員制度改革として、人事・給与構造改革を行い、年功序列の給与体系ではなく、役職や責任に応じた給与体型を確立すること。
5    民間企業で経験を積んだ中途採用職員の雇用を促進すること。
6    民間企業や国、県との積極的な人事交流を行うこと。
7    真の働き方改革をすすめるためにも、AIやRPAを導入し、残業時間を削減し、また単純作業から職員を解放し、多様な市民ニーズに応えることができる職員配置に力を入れること。

<行財政システム改革>
8    施設ごとに対応方針を定め、3~5年毎の事業費を実施計画や財政見通しに反映させるなど、財源を伴った公共施設マネジメントを確立すること。
9    事務事業評価や施策評価を充実させ、結果ではなく、成果を重視すること。
10    決算と予算を連動させ、PDCAサイクルを回す仕組みづくりを行うこと。
11    臨時財政対策債の借入は必要最小限にとどめること。
12    財政見通しに反映していない将来の財政需要については、その内容が分かる形で「今後の課題」として、財政見通しに記載すること。

<契約・工事・検査>
13    新電力、コピー機等、契約の窓口を一本化し、入札価格の抑制及び事務コストの抑制をすること。
14    検査をする職員の能力が落ちて生きている。建設工事等の検査を行う職員の能力向上のために、指導や研修を行い、またその人員をしっかりと確保すること。
15    建設工事など、年度末に工期が集中しないよう、工事期間の平準化を徹底すること。

<歳入の確保>
16    滞納額が多額になる前に滞納者と話し合うこと。必要であれば法的手段に訴え、市民の公平公正を保つため、滞納整理事務を確実に行うこと。
17    企業誘致に加えて、スタートアップ企業や起業家の支援を行うなど、法人市民税を確保するための政策を推進すること。

<病院経営の安定化>
18    短期的なキャッシュフローの改善だけでなく、周辺環境の変化や病院の建替えなどを視野に入れたプランを策定し、病院経営の安定化に取り組むこと。



2. まちづくり ~心豊かに暮らせるまちづくりに投資を~
 住宅地を多く抱える我が市では、高齢化の進展やライフスタイルの変化などにより、より多くの時間を市内で過ごす市民が増えていくはずです。税の再配分の考え方に基づき、一定の層に行政サービスを提供することは変わらず必要ですが、年齢に関係なく、やり甲斐や生き甲斐を持って、心豊かに暮らせる環境を整えていくことが、今後はより重要になっていくと考えます。
 行財政改革により効率的に行政運営を行うことと並行して、時代の変化に対応し、「サービス」の提供という考えから、「誰もが活躍できる環境」の提供へと変化していくことも、これからのまちづくりには必要になっていきます。
 以上のような考えから、以下16項目の提言を行います。

<学校教育・保育>
1    芸術・学術のイメージが1位の宝塚市だからこそ、文化面に力を入れた教育を行い、心を育てるような活動に力を入れること。
2    中学生の自宅放火事件や自殺、いじめなど、過去の問題の反省が生かされていない。SNS等の匿名通報システムの導入などしっかりとした対策をとること。
3    私立保育園の経営の安定化、公私間格差の是正、待機児童の解消を計画的に行っていくこと。

<スポーツ環境の充実>
4    老朽化した施設を改修し、スポーツ施設の充実を行い、プロ等正式な団体を誘致することができるよう取り組むこと。
5    宝塚市を代表して全国大会等へ出場する選手・団体への表彰及び助成金制度を設けること。
6    大会や夏のプール開設時に大混雑するスポーツセンターの駐車場の増設を行うこと。

<地域コミュニティ>
7    地域の課題は、地域で解決できるよう、自治会やまちづくり協議会へ専門家を派遣する仕組みを設けること。
8    地域とよく話し合い、小林駅前が地域のためになるような開発事業にすること。
9    小林・亀井浄水場跡地は、住民と十分に話し合い地域のためになる跡地利用とすること。
10    自然、環境、南部との連携を行い、西谷地域の活性化を行うこと。
11    罰則規定を設けることも視野に入れ、資源ごみ持ち去りの取り締まりを徹底すること。

<観光・産業>
12    市役所前では大玉の打上花火をあげ、温泉街ではプロジェクションマッピングを活用し、宝塚観光花火大会を復活させること。
13    インバウンド客誘致に有効な手段の研究と計画策定を行うこと。
14    地場産業である植木産業を活かし、美しい街路樹や公園のあるまちづくりを行うこと。

<道路・交通>
15    都市計画道路の整備促進と渋滞解消のための道路建設予算を拡充すること。
16    特に山間部において、公共交通機関のない地域の移動手段を確保すること。
3. 防災・危機管理 ~市民の安全安心のために~
 ここ数年、地震だけでなく、風水害による災害が多く発生しています。忘れかけていた災害が身近に起こることで、市民の防災・危機管理に対する関心も高まっていると言えます。災害への対応は、自助・共助・公助と言われますが、災害時から復興時までの長い期間を考えると、特に共助の力を高めておくことが、地域全体の防災力の向上へと繋がるはずです。
 以上のような考えから、以下8項目の提言を行います。

<指定避難所の環境整備>
1    避難所における備品の管理及び、災害時に必要とされる備品リストの作成をすること。
2    避難所のwi-fi等通信手段の確保をすること。
3    避難所案内等の誘導看板を設置すること。
4    避難所となる学校体育館への空調設備設置を推進すること。
5    避難所となる学校体育館トイレの様式化を推進すること。

<防災力の向上>
6    災害時に職員が迅速に参集できるよう、他市を参考に、職員の市内居住率を上げる対策をとること。
7    地域の防災力を高める取り組みに積極的に取り組むこと。
8    災害時要援護者支援制度の普及に積極的に取り組むこと。

以上