On nOthing  -250ページ目

短編小説 Wonderful One Wonder 5

「来たか・・。なんだその格好は?」と犬は引き気味に言う。

「いや落ち着かなくて・・」

「そのヘルメットは?」

「えっ?あっ?」いつもの癖でヘルメットを被ってきてしまったらしい。

「難儀だな」と憐れみの目で見られる。

「まぁそれは取って良いと思うぞ。」そう言われ、顔を赤らめながら外した。

「じゃ頼むぜ」頷く。


インターフォンを押して、様子を窺うがやはり返事はない。

「すみません」と声を出すがやはり反応は無い。

「入りますよ」と言い、ドアノブに手をかけ回す。ガチャと開いてしまった。

中は暗くまず電気を探した。

電気をつける。

少し埃っぽかったが、この荒れようなら人が死んでいるとまでは言いきれるものではなかった。

特に臭くもない。お線香の匂いがする。

廊下からはドアが四つ見えた。

「すみません」と呼びながら進む。

最初の部屋はリビングだったが、誰もいない。ソファーやテレビ等が置かれている普通の部屋だった。電化製品は特に動いていなかった。

警戒しながら辺りを見回し、何か変わった点が無いか確認した。

腐ったパン等何かあるかと思ったが何も無かった。

冷蔵庫を覗くが調味料と飲み物以外は何も入っていなかった。

洗面所やトイレ、お風呂をまず確認したが、誰もいなかった。

リビングの奥に部屋があり、そこに手をかける。ガラスの嵌ったドアの奥は暗く、恐怖心が高まった。ここはまずい気がする。と思ったが、行かない訳にはいかない。覚悟を決めると一気に開けた。

 



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