定年を目前にしたお客様からご相談がありました。このブログで内容を書いても良いと了解を得ているので今回紹介します。
晩婚で20歳前後の子供が2人いるが子供に母親の面倒を見てもらいたい。それで子供に保険金を残してやりたいが、病気ばかりしていて保険に入れない、保険代理店で全部断られた。でも何とかできないか?と言う相談でした。
そこで提案したのが下の図の左側にあるように保険契約者(=保険料負担者)と死亡保険金受取人が夫で、被保険者を11歳年下の妻にする保険契約です。
病気だったり入院していたら被保険者になれませんが、保険契約者になる事はできるからです。
商品は低解約返戻金型終身保険で全期前納払い※を勧めました。
※全期前納払いとは、
保険料の全期分を保険会社に預けて、毎月の保険料は預けたお金から引き落としてもらう方法です。渡したお金がその時点ですべて保険料になってしまう一時払いとは違います。
夫が亡くなると、この保険契約は相続財産になり、遺言がなければ遺産分割協議で誰の名義(契約者)にするか決めなければなりません。
妻が健在なら上の図の右側のように契約者は妻になります。夫が全期前納払いをすれば妻の保険料負担※はありません。告知も不要です。そして子供2人を死亡保険金の受取人にします。
※全期前納払いではなく、月払いや年払いで契約した場合は継続して妻が保険料を払う事になります。
相続財産としての金額(評価額)は解約返戻金+保険会社が預かっているお金です。解約返戻金が多くなると税金(相続税)が多くなります。だから保険料に対する返戻率が他の終身保険より低く抑えられている低解約返戻金型終身保険を提案したのです。
また、支払方法も一時払いだと保険加入2~3年で解約返戻金が払った保険料を上回ってしまいます。
それで、月払いや年払いと同じく保険料支払の期間中は解約返戻金が保険料を上回ることがない全期前納払いを勧めました。
これで相続税の計算で少しでも節税になるはずです。
その後、妻が亡くなると死亡保険金は2人の子供に払われる事になります。
ここまで説明した後に奥様にアドバイスしました。
「奥様の老後や介護で面倒を見てくれる子供に保険金を多く渡す事ができます。死亡保険金の受取比率を50:50でなく70:30でも契約者になった奥様が簡単に変更できます」と。
これで、病弱な夫が子供に保険金を渡したいと言う思いを叶える事ができるし、奥様はご自分の面倒をみてくれた子供にその分のお金を保険金で渡す事ができます。
決まったパターンの商品を売るだけの保険セールスではなく、お客様の想いは何か、その想いを実現するために保険で何ができるのかをトコトン考える保険コンサルは保険商品の知識だけでなく知恵も求められます。
いつも苦労しますが、お客様の想いに合ったプランができるとやりがいを感じます。
栃木・宇都宮の
FP・保険コンサルタント
五十嵐良太郎
<当社のアドバイスのご案内>
FPのほけん見直しクリニック - 宇都宮市のマネー専門家・生命・損害保険|栃ナビ! (tochinavi.net)