アマゾンで懐かしい赤と黄色の表紙が目に入って衝動的にポチってしまった。中学に入ってまもなく買った「英語の綜合的研究」である。
文法なり何なりをひととおり知っておく(予習)ために買ったのか、後で大学受験のとき役に立つと思って買ったのか記憶はない。
しかし英検2級を受けるときには一応読んではみたのである。まだ習っていな文法事項を調べることなどに使ったかと思う。
しかし高校に入ると、この本を開かなくなった。東京の学校に転校し、新たな情報の波にさらされる中でこんなダサい本やっている場合じゃないとでも思ったのだろう。
今現在この本を勉強しているが、不思議と蛍雪時代ということばが浮かんでくる。田舎でこの本を相手に受験勉強している浪人生のイメージだ。
予備校もない地方の受験生が勉強する本という感じがするのだ。「総解英文法」のアマゾンレビューで、参考書と言えばこの本だけしか買えなかった貧しい家の生徒が医学部受かったという話があったが、この本はそれと通ずるものがある。
そう言えば、あのラジオ講座もそうだ。それこそ予備校に行けない人がラジオを通じて一流の講師の講義を受けられるラジオ講座だ。もちろんこの本の出版元の旺文社がやっていたものである。
そして新たに思い出したことがある。それはこの本には現代の本にはない教養主義的な雰囲気があるということである。
この当時の英語の参考書はちょっとした英文学へのお誘いみたいな趣があって、解釈問題のところで作者の紹介をしている。
勉強しているこちらもハイブロウな感じがして悪くないものであった。当時英語を勉強するということはある種高級感みたいなものを感じたのである。
誰でもが海外旅行を楽しみ、英語と言えばコミュニケーションとやらの手段であると思っている現代人とはだいぶ違う時代だったのだ。
この本は概説があって例題は解釈と作文、時に書き換えなどの文法問題があったりと数学のチャート式みたいな構成である。これこそ「総合英語」というべきものではないか。
とにかく使いやすいさに改めて驚いている。