家が貧乏だったけれど、自分が忘れられない話を聞いてください。
自分の家は貧しく、運動会や授業参観の日でもおふくろは働きに出ていました。
そんな家庭で、私が15歳の誕生日を迎えました😌
その日、おふくろは嬉しそうに私にプレゼントを渡してくれました。
それは「ミチコロンドン」というブランドのトレーナーでした✨
私は「ありがとう」と言いながらも、内心では「恥ずかしくて着られないな」と思っていました。
その夜、考え込んでしまいました。
差し歯を入れるお金もないおふくろ😌
美容院に行くなんて最高の贅沢です。
手はカサカサで、化粧なんて当然していません。
こんなトレーナーを買うくらいなら、他のことに使えばいいのに……。
そんなことを考えながら、久しぶりにアルバムを開きたくなりました。
若い頃のおふくろの写真が載っていました。
驚きました。
まるで別人のようでした。
化粧がきちんとされ、健康的な肌に白い歯が見える笑顔です。
美しいおふくろがいたのです。
私は涙が止まりませんでした。
おふくろは自分を育てるために、女性を捨てていたのです。
「ミチコロンドン」のトレーナーを抱えて、その夜は眠りました。
それからしばらく経ち、私は高校卒業後の進路を考えなければならない時期に差し掛かっていました。
大学進学は既に諦めていました。
学校で三者面談が行われた時、おふくろは先生に向かって言いました。
「大学に行くためには、いくらの費用がかかるのでしょうか？」
私は耳を疑いました😳
驚いている私を横目に、おふくろは通帳を先生に見せながら真っ直ぐな目で見つめました。
結局は大学に進学をするよりも、当時興味を持った職種があり、その専門学校に進学をすることになりました。
故郷を離れる時、おふくろは私に真っ赤なマフラーを手渡してくれました😌
ちょっとでもと思い、学費を稼ぎながらの学生生活は苦しかったですが、マフラーを見ると元気が湧いてきました✨
それから時は流れ、自分は脱サラをして経営者になりました。
そして、来年の春ぐらいには兼ねてからの夢の一つでもある、故郷で事業をスタートする予定です。
せめてもの故郷への恩返しと親孝行です。
どんな困難があっても、おふくろを守り抜くことを誓いました。
色褪せたトレーナーとほつれたマフラーを前にして、自分はそう心に決めたのです。
そんなおふくろの誕生日がもうすぐでやってきます😌