【子供の頃に貧乏を経験して、大人になったら毎日が幸せの連続だったことに気づいた】

子供の頃、いわゆる貧乏だった。
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もちろん、貧乏というのは相対的比較から生まれる感情なので、
「自分は他人と比較して貧乏じゃない！」と思えれば違うのかもしれない。
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でも大人になって改めて冷静に考えたが、自分の家は貧乏だった。
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子供の頃、貧乏で辛い思いをしたかといえば、やっぱり辛い思いをした。
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喉元過ぎれば熱さを忘れてしまうのと同じで、今は辛さを感じない。
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大人になった今、あの子供の頃の暮らしを色々と思い起こしました。
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きっと、何か得るものがあるんじゃないかと願って。
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自分の家は5人家族だった。
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父、母、兄に自分、そして祖母。
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この家族が住む自分の家は、近所から
”オンボロ家”と呼ばれた雨漏りや床が軋んで、所々には穴が空いていた。
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台風で２度、屋根が飛んだ。
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漫画のような家だが実話である。
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このオンボロ家に5人が日々生活するわけだ。
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そして狭い。
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非常に狭い。
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狭くてオンボロで至る箇所が壊れているので常に夫婦喧嘩や親子喧嘩、
兄弟喧嘩が絶えない。
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親父がいつも怒鳴り散らしていて、おふくろに手を上げ、自分たち兄弟はことあるごとに
ぶん殴られたものです。
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当時、お金がなかったので家族全員での旅行はもちろん、外食も一度もない。
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文明の力もほとんど存在しておらず、電子レンジにエアコンなんかないし、車も中古で買った
ボロボロの軽トラだ。
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おそらく、昭和のまま時が止まってしまったようなそんな家だった。
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そんな家で育って自分も大人になった。
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高校を卒業をして歳で1人暮らしを始めた。
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驚きの連続だった。
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食べ物を1分で温めることが可能な電子レンジに感動した。
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今まではガス火で10分くらい温め直していたから。
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部屋を冷やしたり暖めたりすることに感動した。
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今までは暑かったら近所のスーパーに涼みに行き、寒かったら毛布にくるまっていたから。
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普通にみんなそれなりの車に乗っていて、移動手段のハイテクさにも感動した。
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今まで10k圏内は自転車で移動していたから。
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子供の時に貧乏だったおかげで、大人になったら感動の連続だった。
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他にもいくつも感動をしているのだが、特に感動していることがある。
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それは親に対して感動した。
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ウチの親は子供3人を育てあげた。
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先ほど兄が1人と言ったが、実は兄は2人いて、一番上の兄は病気で幼い頃に亡くなって
いるんです。
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それでも子供1人を成人させるのに必要な費用は、およそ2000万と言われている時代。
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自分の親は少なくとも4000〜5000万もの大金を注ぎ込んで、自分の子供たちに投資した。
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5000万あれば、人生のやりたいことはかなり実現できるし、電子レンジ、エアコン、車なんて
何台も買える。
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それなのに、自分たち子供のために稼いだ有り金を全て注ぎ込んでくれた。
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自分の父と母は、人生でやりたいことができたのかな？
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いつも自分たち子供のために働いていた。
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自分の趣味とかあったのかな？

自分の時間なんてあったのかな？

父は休みの日にボロボロの左利きのグローブでキャッチボールをしてくれたて、
自分はそれがとっても幸せだった。
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母はおかずの数こそ少ないが、毎日のように甘い卵焼きと炊きたてのご飯を用意してくれた。
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自分にとってそれはそれは幸せだった。
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兄貴は自転車でどこまでも遠くまで遊びに連れて行ってくれた。
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自分にとってはそれも幸せだった。
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ばあちゃんは親に内緒で駄菓子屋でお菓子をたくさん買ってくれた。
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当時100円もあればお腹いっぱいになるぐらいのお菓子が買えて本当に嬉しかったものだ。
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子供の頃、周りから見たら貧乏だったかもしれないし、不幸そうに見えたかもしれない。
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だけど、間違いなく今の自分は幸せだし、子供の頃も幸せだったに違いない。
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自分たち家族は、最強の家族だ。
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幸せはなるものじゃなくて、気づくものだと教えてくれた家族だった。
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貧乏。
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だからなんだ？
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お金がない。
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だからなんだ？
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そんなこと、自分たち家族の前では何の意味もなさないし、世間という杓子定規に自分たちを当てはめないでほしい。
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子供の頃に貧乏を経験して大人になったら、毎日が幸せの連続だったことに気づいた。
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そして、もうすぐ母の誕生日だ。
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まずは、自分を産んでくれた母に
渾身の「ありがとう」を伝えようと思う。
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母に面と向かっていきなり「ありがとう」は正直かなり恥ずかしいが、この「ありがとう」も
あと何回言えるかも分からない。
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だから素直に気持ちを伝えるようにしている。
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貧乏で苦労に苦労を重ねたからこそ今の自分があるし、同じ境遇だった人をたくさん応援して
いきたいと思う。
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