高齢者が、新たに土地を購入して、戸建住宅を建てるというケースはそんなに多くはありません。
むしろ、高齢者夫婦単独でなく、高齢者夫婦と子世帯による二世帯住宅を建てるための土地探しというケースが多いです。

私の従妹も両親が高齢になったことで、それぞれの土地を売却して、もっと広い土地を購入して、二世帯住宅を建てることにしました。
土地探しについては、最初、従妹の意向で、市内より自家用車で50分ほどかかる丘陵地に新しく大規模に造成された団地の一角を見学しました。
一角が100坪近くあり、庭も広く取れるので、気に入っていましたが、伯父から「待った」がかかりました。

伯父は、高齢とはいえ、元気で、車を運転しますから、最初はそんなに考えていませんでしたが、自分が運転免許証を返納した後のことを考えたそうです。
運転を止めても、伯父伯母が基本的に自立して生活できるように、もう1度、考え直すことになりました。
先の物件と同じように市内より自家用車で50分かかるのですが、海岸近くの土地を選びました。
ここは、交通が便利で、交通機関はバス、私鉄、JRの3通り利用することができます。

高齢になれば、病院通いも必要になるかもしれません。
私鉄を利用すれば、総合病院にも3駅で、駅に直結しています。
郊外型の大型ショッピングセンターにも4駅ですし、駅周辺には商店、クリニック、金融機関などがあり、便利だそうです。

土地を購入して、住まいを新築することは、人生で一回の大きな買い物です。
今は若くても、いずれ年齢を重ねていきます。
最近、深刻な問題になっているのが、「買い物難民」「団地のゴーストタウン化」です。
自家用車が利用できるうちは考えなかった問題が表面化します。
高齢になった自分も想像して、土地探しをしましょう。
先日、興味深く読んだ雑誌で、共働き夫婦と住まいの関係が書いてありました。
それぞれの職場と住まいがだいたい同じ距離にある場合、夫婦は仕事を重視する傾向があり、住まいから見た職場が同じ方向にある場合、夫婦は家庭を重視する傾向があると言います。
同じ共働きでも、仕事に対する考え方や家庭に対する考え方が違います。
例えば、仕事を重視している、いえ、もしかしたら、重要視しなければならないくらい厳しい環境の職場の場合、通勤も負担になりますから、それぞれの職場と住まいの距離は同じくらいで、できるだけ短い方がいいわけです。

そういう意味では、住まいも交通アクセスの良く、住まいの管理などを委託できる分譲マンションを購入するケースが多くなります。
住まいから見たそれぞれの職場が同じ方向にあると、なぜ家庭重視なのかというと、住まいから出る時も帰る時も同じ方向を見ると言うことは、同じ今と未来を見ることができるということのようです。
もちろん、統計的な傾向のことですが…。

さて、共働きの場合、どうしても、家事と仕事の両立が問題になってきます。
住まい自体を両立しやすいように、動線を工夫することは既に、取り入れられていますが、職場と住まい+αの動線も考えてみましょう。
+αというのは、日々買い物をする場所であり、病院であり、金融機関であり、子ども達が通う保育園、幼稚園、小学校などです。
つまり、職場と住まいの間に、できるだけ、日常的に必要な場所を持って来て、できるだけ動線を短くする必要があります。
共働きの夫婦が住まいを考える時、住まいに求めるものは、安らぎです。
同じ方向に職場があると、この動線を短くする工夫ができます。
そういうことを念頭に土地探しをしていくと、よいでしよう。
自分達が住まいを建てる土地を探す時、そこで子育てをしようと考える場所でもあります。
一言で、子育てと言っても、年齢も違います。
また、親の子育ての方針も違います。
つまり、子育てしやすい場所というのは、土地の取得時期や各家庭の考え方によって、大きく異なります。

私の従妹が住まいを新築するための土地を探していた時、長女が4才で、二女が2才でした。
今は、マンション暮らしで、大好きな犬が飼えないし、大好きなガーディニングもできないので、郊外の団地を探しました。
市内の西側の丘陵地に造成された団地の一角に住まいを建てることにしました。
彼女は、子ども達を自然の中で育てたいと思っていました。
おおらかで、優しい子に成長して欲しいと考えていたので、大きな庭のある緑豊かな郊外の団地が子育てをしやすい場所になりました。

反対に、私の友人は、住まいを新築するために土地を探していた時、長男が幼稚園で、次男が3才でした。
彼女は、2人の息子達を公立中学でなく、私立の中高一貫校へ進学させたかったので、長男が小4から進学塾へ通わせる予定でした。
進学塾や行きたい学校に通うのに便利なだけでなく、小学校の教育環境が良好な学区で、生活環境がより整っている市内を中心に探しました。
郊外の団地という選択肢はなかったそうです。
市内の生活環境が整っている地域と言うと、人気も高く、土地の価格も高く、負担も大きくなります。
彼女はフルタイムで、仕事をしているので、多少負担が大きくても、交通アクセスの良い場所に住むことで、通勤時間も短くなり、生活に余裕ができたそうです。
参観日などの学校行事に参加する時も助かったそうです。

子育てしやすい場所というのは、各家庭によって、違います。
土地探しをする前、子育ての方針を夫婦で話し合いましょう。
阪神淡路大震災や東日本大震災など未曽有の大地震などの自然災害が起こるたびに、防災意識が高まります。
その1つとして、地方自治体によって、ハザードマップが作られました。
大地震の時に液状化現象が起こりやすい地域や集中豪雨の時に床下、床上浸水の起こりやすい地域など、それぞれの災害で大きな被害を受けやすい地域をマップ上で現したのがハザードマップです。

私が住む都市は、三角州を埋め立てて大きくなった都市ですが、以前は水害に弱い地域でした。
川の護岸工事や放水路の整備で、梅雨や台風の時期に市内全域が水害に見舞われることはなくなりました。
が、近年のゲリラ豪雨で、床上床下浸水を繰り返す地域があります。
この地域は、いわゆる文教地区で、人気の高いので、私も友人も多く住んでいます。
彼女達のうち、何人かは3年連続して床上浸水の被害を受けました。
市が配布しているハザードマップには、この地区が市内でも一番低地にあたり、水害の危険が高い地域であることが表示されていました。

土地を購入する時、このハザードマップを見ていれば、購入を控えるか、或いは、購入しても基礎を高くして、被害を防ぐこともできたのにと話していました。
郊外の団地に住む友人は、団地の一番斜面に近い場所を購入しました。
1991年の台風によって、斜面が崩れ、リビングにまで土砂が流れ込んだそうです。
この団地の周辺部は土砂が崩れ、中心近くは山から海への風の通り道になっていて、瓦が飛んでしました。
災害は予測することはできても、防ぐことは難しいです。
新たに住まいを建てるために土地を購入する場合は、これらのハザードマップを参考にして、災害を受けにくい地区を考えていくことが大切です。
さらに、団地の場合、その中で、土砂災害を受けにくく、台風などの風の影響が受けにくい場所があります。
そんなことも考慮に入れて、選択していくと良いでしょう。
日本の国土は狭く、人が住むのに向いている平地はさらに少ないため、住宅が密集していました。
昭和43年都市計画法が制定されて、しだいに住みやすい都市を作るように推進されてきました。
都市計画を推進することで、火事や水害などの災害に強く、被害が最小限で食い止められるように区画整理や道路拡張などが行われてきました。

私の町でも、太平洋戦争で焼け残った地区の再開発がようやく終わろうとしています。
昭和の時代の町を知る人から見れば、住宅用地が区画整理され、道路も3倍の広さに拡張整備され、昔の面影は消えてしまいました。
ショッピングセンター、クリニック、病院、金融機関、JRの駅など生活に必要な施設も充実し、人気の地区になっています。
このように、都市計画によって、新しく再開発された地区は、社会的な環境が整備され、交通アクセスも充実しています。
他の地区に比べて、価格は少し高めになりますが、それなりの価値のある町づくりになっています。

私の友人もこの地区のリバーサイドに住まいを新築しました。
市内とは思えないほどの開放感で、満足しているそうです。
反対に、私の先輩は、築8年の中古住宅を購入し、リフォームして、住むことにしました。
以前から、道路拡張計画のうわさはありましたが、浮かんでは立ち消えになり、また、浮かんでは立ち消えになりました。
そこで、購入を決意したのですが、購入後6年目で、急遽、計画が現実のものとなり、立ち退きになりました。

もちろん、立ち退き料や代替地という選択になりましたが、どちらにしても、収支的にはマイナスになります。
最初に住まいを購入する時、都市計画について、もう少し関心を持って、検討していたら、良かったと思ったそうです。
つまり、土地選びには、現在の環境だけでなく、その土地の持つ未来をも予想して、考えていかなければならないと言うことになります。
土地探しで重要なポイントとなるのは、交通アクセスです。
交通アクセスとは、目的地に行く交通手段のことを言います。
生活する上で、重要な目的地というのは、どこでしょう。

例えば、通っている学校や会社、病院、ショッピングセンターなどが一般的です。
しかし、これはあくまでも一般的な目的地です。
実際には、各家族によって違いますし、現在だけでなく、未来にわたって考えると、目的地はさまざまです。
私の場合は、子どもが幼少期は、とにかく病弱で、よく入院していたので、その病院のすぐ裏のマンションに住んでいました。
夜中でも、すぐ行くことができるので、どれだけ助かったか、わかりません。

さて、土地探しをする時に問題となる交通アクセスとは、どんなことでしょうか。
基本的に、土地を購入して、住まいを建てるということは、これから一生住むわけです。
一生といっても、細かく言うと、子どもが幼少の時代、学生の時代、定年後から75才ぐらいまでの時代、75才以後の時代に分けられます。
ずっと専業主婦の場合もあれば、ずっと共働きの家庭の場合、子どもが小学校へ入ったら、仕事を始めたい場合もあります。
家族の時代や家庭環境は異なりますので、それぞれが必要なアクセスも異なります。

私の友人の場合は、御主人が地方公務員でしたので、3年ごとに県内各所の地域事務所に転勤がありました。
最近は交通網の発達で、単身赴任しなくても、通勤することができるようになったので、交通の要所であるJRの駅と私鉄の駅とバスターミナルがある場所に2駅の再開発地区に戸建て住宅を建てました。
買い物や通学にも便利で、高校受験の選択肢も広がりました。
父親が病気の時に看護しにいくのにも、義母の介護の手伝いに通う時も交通の便利が良いので、助かったそうです。
将来にわたって、目的地となる可能性がある場所を考えて、そこへのアクセスに便利な地区を選ぶことで、格段に居住性が上がります。
土地を探す時、重視するのは、周囲の環境です。
一言で、周囲の環境に恵まれるということは、自然豊かな環境だけでなく、生活に便利な環境が整っていると言うことでもあります。
具体的に、生活に便利な環境というのは、人が生活するために必要な基本的な施設が充実しているということです。

生活に必要な基本的な施設というのは、まず、生活に必要なものを購入する小規模な商店、コンビニ、スーパーやショッピングセンターです。
風邪などの比較的軽い体調不良の時に行くクリニック、歯科クリニックが近くにあると、助かります。
クリニックから紹介してもらって精密検査を受けたり、より高度な治療を受けたりする総合病院も30分以内に行くことができたら、負担が少なくて済みます。
日々の生活のお金の管理をする銀行が近くにあると、何かと便利です。
最近は、公共料金などの振り込みや普通預金の出し入れはコンビニやATMで事足りますが、
定期預金の管理や金銭的な相談などにはどうしても銀行が必要になります。
都市ガスや下水道の普及率や光ファイバーの普及率も生活水準向上に大きく影響します。

私の友人は、高度成長期に市外の丘陵地にできた団地に住んでいた父親の土地を相続して、住まいを建てることにしました。
住み始めて5年して深刻な問題が発覚しました。
下水道のことです。
昭和の高度成長期に造成された団地の集中浄化槽が老朽化してしまったそうです。
多額の修繕費が必要になります。
そのことで、高齢化などで空き家が目立つようになり、団地の自治会がもめています。
生活をするのに、下水道は不可欠です。
その下水道に問題が起こったので、生活の水準は一挙に下がりました。
住まいを建てるために土地を探している時は、若い時期なので、社会的な環境を過小評価する傾向があります。
住まいは一生ものです。
よく検討しましょう。
土地を探す時、重視するのは、周囲の環境です。
周囲の環境には、自然環境と社会的環境があります。
人間は社会の中で生きるとともに、自然の中でも生きています。
人間も例外なく、太陽、風、水、土などに囲まれて生きる生物です。
しかし、日本の国土は狭く、人が住むのに向いている平地はさらに少なく、自然豊かな居住環境を手に入れるのは大変なことです。
社会的環境を整備して、生活水準を上げるには、どうしても、自然環境には目をつぶらなくてはいけません。

例えば、都会の超高層マンションがそうです。
限られた敷地の中で、建物を上に伸ばすことで、あれだけの世帯数を収容しています。
土地を探す時も同様で、生活水準の高い都会では、どうしても自然環境は犠牲になります。
自然環境を重要視するのであれば、郊外の団地などを選択するようになります。

私の友人は、平成元年から開発されている郊外の大規模ニュータウンを選びました。
このニュータウンには、市内中心部と高速バス、新交通システムでつながり、ニュータウン内には団地が7以上あり、現在では6万人規模になっています。
それぞれの団地がコンセプトを持っており、大規模ショッピングセンターや私立大学や陸上競技場なども誘致しながら、自然豊かな環境を守っています。
つまり、生活水準の高さを維持しながら、ある程度、自然と共生していく環境をも維持しています。

団地内に公園も多く、緑地も整備されていて、野鳥の鳴き声が聞こえてくるそうです。
住宅用地1区画も比較的広く、敷地内の緑化を取り決めています。
団地の北側には、小高い山があり、南が広く開けていますから、日当たり良好です。
夏は市内より標高が少し高く、緑豊かなお陰で、涼しいのですが、冬は南向きのため、日当たりが良く、暖かいので、チェーン装着率は低いです。
永住に適した自然環境で、ゆったりと暮らすことができるそうです。
いざ住まいを建てる時、建築費以外の費用が必要になることがあります。
例えば、土地を測量したり、土壌改良工事をしたりする必要が出て、心ならずも出費することになる場合もあります。

私の友人は、祖母から相続した土地に住まいを新築することになりました。
土地の北側間近に雑木林があり、そこが崩れないように、土留めを築く必要があることが分かりました。
土留めは、土壌が流れだすことを防ぐために設けるのですが、専門業者による土木工事となりますから、それ相応の出費になります。
彼の場合、専門業者に頼んで、コンクリートブロックを積み上げ、土留めとました。

住まいを新築するには、まず、土地です。
自分の土地が住まいを新築するのに適切な土地にしなければいけません。
土壌調査であり、土壌改良工事です。
自分の土地の中だけではなく、隣接する土地や隣家との関わりもあります。
気候風土も関係することがあります。
その土地が持つマイナスの環境をできるだけ修正することで、居住性の高い住まいを新築することができます。
そのためには、どうしても、それ相応の出費を覚悟しなければなりません。

土地を購入したり、住まいを新築したりするのに、かなりの高額の住宅ローンを組み、何十年にわたって、返済していかなくてはいけません。
その上の思いがけない出費ということになりますから、本当に大変な負担になります。
相続などで土地を得る場合は仕方のない部分もありますが、新しく土地を購入する場合は、できるだけ慎重に、土地の環境を調べて、追加的に、環境整備のために、出費がないようにすることがより重要になります。
住まいは、一生を通じて、最大の買い物となります。
アクセスが良い割に安い物件、周囲の住環境が良い割になかなか買い手が付かなかった物件などは、何か理由があります。
すぐに飛びつかず、土地の履歴などを調べることも大切です。
案外、高齢者にマンション住まいが人気なのは、住まいがコンパクトに納まっているということやアクセスが良いという立地条件だけではありません。
エレベーターの存在があります。
高齢になると、生活空間がフラットで、バリアフリーだと、生活するのに安全で、便利です。
しかし、アクセスの良い場所で、平屋を建てるほど充分な広さの土地を確保するのは大変なことです。
マンションの居住スペースは2階以上ですが、エレベーターのお陰で、平屋感覚の住まいを得ることができます。
2階建て以上の戸建て住宅にその平屋感覚を取り入れる道具として注目されているのが、ホームエレベーターです。
最低畳1畳分のスペースがあれば、設置でき、費用も200万円ぐらいです。

私の友人は、両親の所有する土地に2階建の二世帯住宅を新築することにしました。
最初は、1階に親世帯のプライベートルームと共用のリビングダイニングとキッチン、2階に子世帯のプライベートルームをと考えていました。
音の問題のことを考えると、2階を親世帯のプライベートルームと共用のリビングダイニングとキッチン、1階を子世帯のプライベートルームにする方が良いそうです。

しかし、高齢の両親のことを考えると、動線を階段にすることは難しいので、このプランを断念しようとしましたが、ホームエレベーターを勧められて、一気にプランが現実になりました。どうしても、
最初の予算より高くつきましたが、二世帯が円満に暮らすための投資だと考えたそうです。
ホームエレベーターは、管理費が年間5万円程度必要なので、考えておかなくてはいけません。
2階にリビングダイニングとキッチンスペースを置いたお陰で、住宅密集地ながら、日当たりもよく、風通しも良いです。予想外の出費ですが、予想以上の居住性を手に入れることができたそうです。