歩き回ることが日課です。
野生の動物のように、思いつくままに、
あっちへこっちへと、
まるで人生を歩んでいるかのように、
自分の帰る場所だけをしっかりと頭にいれ、
放浪するのです。
人のこころは不思議なものです。
楽しい時もあれば、悲しく淋しい時もあります。
それぞれ長く続く時もあれば、
短時間に変わることもあります。
僕の好きな世阿弥は、このこころの変わる様を、
男時(おどき)、女時(めどき)と呼びました。
今年もくじゅう高菜の新芽が自然を生えてきました。
昔からこの地域では、塩漬けにして保存しています。
男時、女時は誰にでも訪れ、
決して避けられないもの
今から700年ほど前の室町時代に、
能役者を極め、人生を精緻に観察した世阿弥は、
僕に教えてくれます。
いい時も、悪い時も、
入れ代わり立ち代わり、訪れるものだから、
勢いづいて、よい時には、
自信を持ってやりなさいって。
山小屋に戻り、
いつものようにケフィアヨーグルトを、
今は、男時かな、と思いながら、
ぐっと飲み干しました