玄関から入ると土間があって、その部屋には長い廊下を渡って行く。

何も塗装していないスギの壁板がすがすがしい木の香りをかもしだす。
家のなかに入って深呼吸するなんて、街の家では想像もできなかった、、、
この廊下にも床板を張っていく。
森では紅葉が始まっている。

数十年前までは、村人に竜が住む池があると恐れられ、猟師も入り込んだら迷ってしまうと言われていた森。
昔、ここにひとりで住んでいた女性の画家がいた。

僕が子供の頃、父に連れられてこの森に来ていた頃、この大きな窓から中を覗くと、たくさんのキャンバスが置かれていたような気がする。
まだ、車も通れない、村人に恐れられていたこの深い森に住んでいたこの女性は、どんな絵を描いていたんだろう、、、
一度は薪の火で家が焼けてしまったが、また建て直して住んだというから、よほどこの森を愛していたんだろう。
いまはもう家に住む人はだれもいない。
でも、森を愛し、森に愛された人の家は、時がたっても美しい。
僕もそうなりたいなあ、、、