篤姫はあと1回である。あと1回で、明治16年になくなるまでの十数年分を一気にやるのだから大変である。ドラマトゥルギーとしては、主人公が亡くなるところでエンドにならなければならないのであるが、70分ではいささか無理がある。連続ドラマはたいてい最終回は付け足し的であるし、その1回前の今回が実質的なエンドと考えるべきかもしれない。

そのように考えるならば、篤姫と小松帯刀の生涯最後の対面の場がこのドラマの最大の山場ということなのだろう。「また会える日まで」といって、感極まって流れる帯刀の一筋の涙が次の出会いがないことを物語っており、涙なくしてみることができない(それにしても帯刀の悪い足を大写しにするなど、説明過剰の恐ろしくへたくそな演出である)。宮﨑あおいと瑛太の渾身の演技が見られ、二人の表情には、若い日にともに時間を過ごしたものだけが持ちうる連帯感と仲間意識が見て取れる。このブログで何度か書いているが、瑛太はたいした役者である。おそらく、技術ではなく、役を理解することで演じるタイプなのだろう。それにしても瑛太は良く泣く。それくらい感情の発露ができるから役者としてすばらしいのであろう。そういえば、菊之助演じる政岡(伽羅先代萩)でも菊之助は本当に泣いていたそうである。