YOUR WISH×SECRET ◆中編◆ | 虹のSORA✱にのあい妄想文✱

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「この辺かもって思ったけど場所を間違えたのかも」
「2階の方は確認されましたか?」
「…えっ?いいえ…」

不審者かもって変な誤解をされない内に立ち去ろうと思っていたが男に質問され首を振る。

「2階はパン屋さんなんだけど奥にイートインスペースもあるし、確認しても、いいかもね」
「そうなんですね」
「あっ!!今日は習い事の教室をしてるからイートインスペースは使えない様になってるんだった」
「…え?そうなんですか」

俺のスマホの画面は…かずが此処にいる事を示しているから、その2階に松潤といる感じ?
何をしているんだろう??と気になったが俺の足は動こうとしてくれないから厄介だ。
翔ちゃんの言葉が気になりコソコソとかず達を追ってきた癖に、やっぱ…尾行の様な事は駄目と分かっているから立ち止まったまま。

「そうなんです!今日は編み物の教室をやっているんですよ。最近は…イケメンな男の子が2人も習いにきているらしく先生は大喜びだと聞きました」
「……そうなんですか…」

立ち止まったままの俺に知らない男はペラペラと色んな事を喋ってくる。

「そうなんですよ!何でも…そのイケメンな男の子は手作りの誕生日プレゼントをあげたいからお友達と習いにきたらしいんです。今月末付近だと言ってたかな?もう直ぐ、誕生日だから、早く…完成させないとって一生懸命に頑張る姿が素晴らしいと先生も応援しているみたい」
「………そぅ……どうも…ご親切に、ありがとうございました」

ペコリと頭を下げた俺は急いで駐車場に停めた車へと戻り…ドアを開けて焦りながら乗り込む。
イケメンな男の子が2人って、恐らく、かずと松潤じゃない?
今月末付近って翔ちゃんの誕生日だから…一生懸命に頑張っているのは松潤なんだろう。
翔ちゃんに言われた事が気になったとしても俺は尾行するべきじゃなかったんだよ。
変な汗を掻きながら俺は逃げる様に車を運転して帰った。


翔ちゃんが言っていた隠し事は、きっと…編み物教室に通っている事なんじゃないの?

家に着き…手を洗っていると洗面所の端に知らない紙袋を発見してしまった俺は確信したから目を逸らす様にしてキッチンへ向かう

中に入っていたのは毛糸玉だったから増してくる罪悪感

多分…翔ちゃんの誕生日にビックリさせたくて2人は隠そうとしたんだろう

それなのに尾行とか俺は何やってんの?







「ただいまぁ!」
「…おかえり!!」

数時間後…玄関の扉が開いたのに俺は、かずに姿も見せずキッチンから動けない。

「今日の晩ご飯はハンバーグなの?」
「そうだよ!!もう直ぐ…出来るからね!!!」

キッチンから動けない俺の側にパタパタと走ってきた、かずは…フライパンの中を嬉しそうに覗き込む。
隠し事を探ろうと尾行してしまった自分に反省しながら作ったハンバーグ。

「うん!」

モコモコの白いダウンジャケットを脱ぎもせず、かずは俺に抱きついてくる。

「今日……まーくんは…何してたの?」

小さな声で呟かれた言葉に俺の心臓は大きな音を鳴らし始めて、隠したくなるから焦る卑怯な心。
きっと…かず達は秘密にしておきたい筈だから俺は適当な嘘を吐くべきなんだよね?
……違う…?
そうだよね……??