7149発目.スコッチよ静かに眠れ | 僕、家元(時々チキンハート)です。

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病院のベッドの上、悪夢にうなされたのか飛び起きるスコッチこと滝隆一。と、かつて銃弾を受けた胸の傷が痛みだす。医師からは傷跡の奥の方が化膿している可能性があると言われていた。手術をしてその部分を取り除いてほしいと訴えるスコッチだったが、それから2ヶ月経ってなお手術は行われる見込みはなかった。いや、もう既に彼の傷は手術をしても手遅れの状態、あとはどのくらい命を持たせるか、という状態にあったのだ。そんなスコッチが入院している病院の近くで、かつて彼が逮捕した拳銃の売人・小島が射殺された。そして捜査の過程で、スコッチに恨みを持つ井関四郎という男が浮かび上がる。井関は強盗未遂で逮捕される際に、共犯だった弟の五郎をスコッチに射殺されていた。白衣を着て医師に成りすました井関はスコッチのいる病室へ。そしてドアを開けるなりベッドに向かって拳銃を撃つ。しかし間一髪、足音で気配を察したスコッチは難を逃れた。逃げる井関を病気の身であるにも拘らず、刑事の本能のままに追うスコッチ。しかし、あと一歩のところで発作を起こし取り逃がしてしまう。自分の死期が近いことを覚悟したのか、スコッチは病室を抜け出し藤堂に電話をかける。「私は最後まで刑事でいたいんです!ボスの部下でいたいんです!」と訴えるスコッチに、「わかった」としか言えないボス。そしてボスは山さんたちに対し「スコッチを無駄死にさせるな!絶対無駄死にさせてはならん!」と命を下す。夜が明けてスコッチは大川町の林にいた。そこはスコッチが井関の弟を射殺した場所だった。


「太陽にほえろ!」第493話、「スコッチよ静かに眠れ」。

「明日のない生き様がある。(スコッチ:私は最後まで刑事でいたいんです!ボスの部下でいたいんです!)今振り返る、過ぎ去った時・・・1982年1月、全ての感情を清算しスコッチ刑事が書き記す自らの生涯のエピローグ」

夕焼けをバックに歩き出すスコッチの横顔、そしてそれに合わせて流れるトランペットの音色。

予告編からして悲しい、スコッチ最終話です。

1982年は「太陽にほえろ!」の放送10周年でもあったのですが、この年ほど「太陽」にとって変化の大きい1年はなかったのではないでしょうか?

その切っ掛けといえるのがスコッチの殉職で、それからジプシーの加入→ロッキーの殉職→長さんが一係を去る→ボギーの加入→ゴリさんの殉職→利さんの加入と、まあめまぐるしいったらないですね。

そして射殺が多い「太陽」の殉職の話の中でも、スコッチの「病死」というのも驚きでした。

殿下の交通事故死と同じくらいの衝撃があったと思います。

物語で見ると、お見舞いに持っていくのはいけないと分かっていながら、スコッチのためにサボテンの鉢植えを持っていくゴリさん、奥さんが作った手料理を詰めた重箱を差し入れる長さんの優しさ。

そして病院を抜け出し電話をかけてきたスコッチに、「聞こえてるなら返事をしろ、この馬鹿もんが!どこにいるか答えろ、命令だ!」と叱りつけるボスの姿に単なる上司と部下、また先輩後輩の関係でなく「七曲署藤堂一家」のような絆を感じさせます。

そしてスコッチ自身も長さんから弟分でもあるドック・ロッキー・ラガーの頑張る姿を聞いて、ホッとしたのか安堵の表情を見せています。

でももしかしたら、「自分がいなくなっても大丈夫だ」という一抹の寂しさみたいなのもあったのかも?

そしてドラマ後半でのアクションシーン。

井関を徹底的にボッコボコにした後、井関が持っていた拳銃に1発だけ弾丸を残し「ロシアンルーレットって言うのを知っているか?」と聞くスコッチ。

井関のこめかみに銃口を突きつけると、引金を引きはじめる。

「ただで済むと思ってるのか!?」と言う井関に返した言葉が、


「刑事はもうすぐ廃業だ」


あ~カッコいい~!抱いて~!ってそんな趣味もないのに言ってしまいそうになるわ!

そして密造工場のありかを白状させて背を向けた直後に最後の発作、そして吐血・・・

ベッドの上での最期の言葉、「死にたくない・・・死にたく・・・」

もうほとんど言葉になっていなかったような感じが。

そして病院へ向かおうとしていたボスの下にスコッチの死を知らせる電話、それを取って「何だって・・・」とつぶやくボスの表情・・・

・・・ああ、だめだ、涙腺が崩壊してしまいそうだわ・・・

その後スコッチのクール路線はジプシー、そしてデュークへと引き継がれていくのでした。

「太陽」の殉職シーンの中でも、もしかしたら1番インパクトの強かったのってこの回だったのかもしれません。

この放送終了からおよそ5ヶ月後、スコッチ刑事を演じた沖雅也さんもお亡くなりに。

改めてその死を悼み、合掌・・・