サンタクロースって本当にいるの? | 席亭こう生の落語的な日々

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子供の頃からの落語好きが高じて、

いつの間にか落語会を主催する事に.....

全くの素人だった私がいかにいして

落語会を企画、運営しているのか

席亭こう生の落語的な日々...

8歳のバージニアは、友達から「サンタクロースなんていないよ 
まだそんな事を信じてるの?」と言われそれを確かめたくなり
ニューヨークのサン新聞に手紙を出しました。

それが有名な「サンタって本当にいるの?」のエピソードを生んだのです






編集者さま:
              
私は八才です。お友達は、「サンタ・クロースはいないよ」 と言います。             お父さんが、「サン新聞社がそう言うなら、そうなんだろうね。」と言います。    
どうぞ、本当のことを教えて下さい、「サンタ・クロースはいるのでしょうか?」

                                                      バージニア・オハンロン 西95通り 115番






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バージニアさん、お友達は間違っています。

みんな、疑う時代の疑い病に慣れてしまっているのです。

自分に見えることだけしか信じません。
心が狭くて、分からないことは無いこと思っているのです。


バージニアさん、そのような人は大人であっても子どもであっても、心が狭いのです。
真実と知識の全てを分かることができる知恵や人を取り巻く広い世界に比べ、
我々のこの大きな宇宙で、人は知恵において虫や蟻にすぎません。
    
そうです、バージニアさん、サンタ・クロースはいるのですよ。

    
愛や広い心や敬虔さと同じ様に、サンタ・クロースは確かにいます。
    
愛や広い心や敬虔さは、あたの人生を美しさと楽しさに満ち溢れた
ものにしていることをあたなたはよく知っていますね。

サンタ・クロースがいないなら、ああ、世界はどんなに寂しくなるでしょう。
    
バージニアがいなかったら、どんなに寂しくなるのかと同じです。

子どもらしい誠実な心がないなら、そうなればこの現実に耐えられ
るようにしてくれる詩や物語もなくなります。

我々は楽しみを持てなくなり、ただ感覚と視覚的なものだけになってしまうでしょう。

子どもらしさがその光明でこの世界を満たしていた、その永遠の光も消え失せてしまいます。

サンタ・クロースがいるって信じない、ですって! 

妖精がいるって、信じないというのと同じです。

クリスマス・イブに煙突みんなを見張りサンタ・クロースを捕まえ証明しようと、
人を雇ってとお父さんに頼んでみるのもいいのですが、
その人達が降りてくるサンタ・クロースをだれも見なかったとしても、
それが証拠になるのでしょうか?

だれもサンタ・クロースを見ていませんがサンタ・クロースがいないという証拠にはなりません。


この世界でもっとも現実的なものは、子どもにも大人にも目で見ることができるようなものではありません。

芝生で踊っている妖精を見たことがありましたか?

勿論ありませんね、しかし妖精がいないという証拠にはなりません。


誰かが、この世界で目に見えなく探すこともできない不思議なこと全部を思い付いたり
「存在しないもの」を思い描いたりしたのものではありませんし、
そんなことのできる人はひとりもいません。
     
赤ん坊のガラガラおもちゃをこわし、内側で音を出しているのは
何かを目で見ることはできます。


しかし目に見えない世界のベールは、一番力持ちの男でも
また今まで生きていた力持ちが集まっても、引き裂くことができないものです。


信頼・想像力・詩・愛・物語だけがそのカーテンを上げ、

その向こうに在る素晴しい美しさと輝きを見せありありと描いてくれます。

それ全部、事実なの? 

オー、バージニア、この世界でこれほど真実で長くつづくものは、他にはありません。
     

サンタ・クロスはいないって! 


ありがたことに、彼はいて、また永遠に生きています。


バージニアさん、

今から千年も、いや今から一万年の十倍も子どもの心に喜びを与え続けるのですよ。


               

サン新聞編集者から。 9月21日1897年