北野武監督の最新作
ヤクザの内部抗争を描いたこの作品
北村総一郎演じる、山王会会長のひがみに振り回される子分またその子分….
些細な抗争から以外な方向へと発展していく
中野秀雄が指をつめるシーン、椎名桔平の背中の刺青のアップから入る濡れ場
「仁義なき戦い」のオマージュも感じられ、上層部の裏切りや思惑に振舞わされ、
いつも貧乏くじを引かされる下部組織のビートたけし演じる大友が、
義理堅く昔かたぎなヤクザというキャラクターも菅原文太演じた広能を連想させる。
罵りあうシーンが多いこの映画だが、「ばかやろう」「このやろう」
(ビートたけしのこの言い回しは好き)など、お決まりの台詞が多くも
う少し工夫が欲しいところ。
結末にいたっては、ラストシーンにつなげるための強引とも思える展開で残念。
白昼市街地での銃撃戦やアフリカの大使(架空の国)への脅迫など
あり得ないシチュエーションも多いがそれを補うほど印象深いシーンが
多く、映画全体から受ける私の評価を高めている
(私の評価など、取るに足らぬものですが……)
意図したわけではないと監督は言っているが、思わず笑ってしまう場面も多く
セルシオ、クラウン、マークXなどの国産セダンが実に美しく撮られ
クラウンってこんなに綺麗なシルエットだったっけ?と再認識
これも、車好きな北野監督ならではのこだわりだろう
キャスティングは、実に見事
大友の子分で対照的な二人、椎名桔平と加瀬亮
大友に親分を殺され、執拗に狙う中野秀雄
この3人が素晴らしい
大組織の杯を受けたいがために自滅する村瀬組組長役の石橋蓮司も
この映画に欠かせないキャラクターの一人
続編の構想があると聞くが、平成の仁義なき戦いシリーズになるや否や