「いはないお約束」

 

神曲。

 

 

 

その題名の通り、終盤まで「い」を使わない

 

より正確に言うと、"i" の子音を使わない

 

よって、私の英訳もそれにならい、"i" を終盤まで使っていない。

 

 

 

それに伴い、意味をまあまあ変えてる箇所もあるので、英訳の意訳もつけておく。

 

普段は英訳の「直訳」なのだが

直訳だと意味不明な箇所もあると思うので、今回は「意訳」ということで。

 

あとさすがに意訳には「い」はある。そこは仕方がない。

 

 

 

ちなみになのだが、

 

最近少し忙しくて投稿する暇がなかっただけで、この翻訳は二週間前くらいに作ったものなので

 

正直どういう意図でどういう翻訳したのか本人が覚えてないところもある。

 

なので今回は解説は少なめになるかもしれない。

 

申し訳ない。

 

 

 

 

 

長くなったが前置きはここまで。

 

 

 

元の歌詞

英訳

英訳の意訳

 

の順で書く。

 

 

 

 

 

 

いはないお約束

No i Promise

 

 

無難で角の立たぬ様
揶揄黙ってようぜ
埋まったブランド
育てて覚えてったマナー

 

To not stand out and make offense
Let’s keep the banter to ourselves
A brand embedded deep out of eyeshot
Manners nurtured by heart

 

目立ち、人を傷つけたりせぬよう

雑談は控えよう

目の届かぬ所に深く埋め込まれたブランド

自然と覚えていったマナー

 

("buried" が使えないので "embedded"、すなわち「埋め込まれた」で代用。「目の届かぬところに」をつけることで実質「埋まっている」状態にしておいた。)

(4行目少し意味がずれてるが、これ以外どう翻訳すればいいのかわからなかった。ここは改善の余地がありそう)

 

 

 

 

ネットを絶えず照らすランプで
我は歪んで正されて丸くなってく

 

By the lamp that perpetually flashes the web
My self gets warped, corrected and rounded

 

ネットを常に照らすランプのそばで

己が歪み、正され、丸くなっていく

 

(意外とここ上手く翻訳できてスッキリ)

 

 

 

 

荒んだ欲で飛んだ問の反論型取った
発言の延べ棒溶かすは
燃える想像でボロボロの
思う本望はドロドロと


A form of rebuttal to a query flung from stormy greed
What melts the bars of utterance
Tattered from burned fantasy
Sludged was the true yearn

 

嵐のような欲から飛んだ問いに反論の形

発話の(延べ)棒を溶かすのは何か

焼けた幻想によってボロボロ、

真の憧れはドロドロと

(元々の歌詞の曖昧さを残しつつ、"i" のない縛りも守らないといけなかったのでここは結構細かい意味が変わってると思う。)

(4行目は倒置法になってて少し珍しい言い回し。3行目と揃えるためか?それとも縛りのせいか?)




 

 

語る全てが『こう』でねぇと
わかる「応」で手絵も祟るような
騙る奴が目立つだけ

 

All talk must be “as that”
Understandable “response”, those who may obsess over a hand sketch
and play pretend only stands out

 

話すことはすべて「あのよう」でなければならない

理解可能な「応答」、手描きのスケッチに執着するような

芝居を打つ奴らは目立つだけ

 

(この縛りだと "this" が使えない。なのでここも「こう」ではなく "that" 「あのよう」と訳されている。中々厳しい縛りだ。)

 

 

 

 

偏るデータ頼るような幼は軽く流す
要は「大人だから」されど
心 奥底は子供のよーで
カッと なって 膨らんで


Shun the young that rely on skewed data
“Because we’re grown ups”, but
deep down we’re young
Get angry and get puffed up and

 

歪んだデータに頼る若者は避けよ

「僕らは大人だから」、でも

奥底では僕らは若い

怒って、膨らんで、そして

 

(2行目 "I'm" 等が使えないので基本的に一人称は "we" と、複数形になってる。)("adults" よりも "grown ups" の方がなんとなく語呂が良かったのか?ここは多分深く考えてないだけなのかもしれない。)

(3行目 "in" が使えないので "deep down in our hearts"「心の奥底では」という表現ができなかった。なのでここは断念して「心」を省いてる。)

("kid" が使えないので "young"「若い」と訳してる。)

 

 

 

 

 

 

ぐっと抑えて
割れた耐えた冴えた頭
荒れた反吐は捨てアカで書こうか?
それもだめか

 

Hold and suppress
The cracked, endured, clear head
A throwaway account for rugged repugnance?
That won’t work too

 

押さえて抑え

ひび割れ、耐えた、澄んだ頭

歪な嫌悪のために捨てアカを?

それもうまくいかないだろう

 

(「ぐっと」を "hold" と訳してる。)

(縛りがなければ「冴えた頭」は "bright mind" と訳せる。)

 

 

 

 

垂れた文は喉で溺れて
漏れかけた言葉堪え
空へ逸らせ「大人だから」


Drowned the leaked sentence down the throat
Hold back the words that nearly leaked out
Deflect them to the sky, “Because we’re grown ups”

 

漏れた文を喉で溺らせて

漏れかけた言葉を食い止め

空へ反射せよ、「僕らは大人だから」

 

(縛りで使える言葉が限られるので、1行目と2行目で "leaked"「漏れた」が被ってるのが美しくないが…。正直これ以外で言葉が思いつかなかった。)

 

 

 

 

 

 

『たかが温かさが欠ける
絵とも呼べぬバグのカスで
使うは脳が欠けた馬鹿で
許すは我ら背くユダで
粗悪 模造 駄作 豚の
皮を 剥がせ 汚れ 探せ
叩け 正せ 鬱で 潰せ
反は全て悪!』


"A mere lack of warmth
a buggy garbage that can’t even be called art
To use a demented fool
To excuse a treacherous Judas
Crude, knockoff, waste, flay the
hog, search for cruds
Beat them, correct them, crush them and depress them
All that oppose are wrong!”

 

「たかが温もりの欠如

芸術とも呼べないバグだらけのゴミ

阿保の愚者を使い

反逆的なユダを許し

粗悪、模造、廃棄物、豚の

皮を剥げ、粗悪品を探せ

打ちのめせ、正せ、潰し、憂鬱にさせよ

反対するものはみな間違っている!」

 

(ここ多分一番大変だったかもしれない)

(中々いい出来なんじゃないかな)

 

 

 

 

 

 

無難で角の立たぬ様
揶揄黙ってよーく
育ったブランド
を経て忘れてたマナー

 

To not stand out and make offense
Kept the banter to ourselves,
thus a well nurtured brand,
therefore forgotten manners

 

目立ち、人を傷つけたりせぬよう
雑談は控えた
よってよく育ったブランド

よって忘れられたマナー

 

 

 

 

でけぇ数と青のスタンプで
流されて絆されてほら尖ってく


Through large numbers and blue symbols
become swept away, bonded, and sharpened, you see

 

大きい数字と青の符号で

流され、絆され、尖っていくだろう

 

 

 

 

X-menは言う
『創るループぶっ潰す すぐ揺るぐ狂う傀儡 』


The X-men says
“Destroy the created loop, a deranged, shaken puppet”

 

X-menは言う
「創られたループを破壊する、狂った、揺らぐ人形」

 

(ここはかなり改善の余地がある。元の歌詞は "u" の子音しか使ってないのでここも若干 "u" 多めにできるかもしれない。)

(文脈めちゃくちゃだし「傀儡」の翻訳がうまくできてないのでやっぱもっと上手くできそうだなあ。)

 

 

 

 

ふむふむと眺めるデータの
裏付け根っこなんか探さなくても僕は
「大人だから」


Underneath the observed data
No need to look for a rooted source,
“Because we’re grown ups!”

 

観測されたデータの下で

根拠のあるソースを探す必要はない

「僕らは大人だから!」


(何気にここの翻訳好きなんだよなあ)



 

 

 

頬張った果物
欲張って明日明後日と
腐ったブランデー 飲んで外れてたタガ


Mouth full of drupes
Full of greed, tomorrow and the day after
Rotten brandy, drank and fell loose

 

口いっぱいの果物

欲でいっぱいだ、明日もその次の日も

腐ったブランデー、飲んで緩み切った

 

 

 

 

酒と己で飲まれて たつ腹 冴えぬ頭
『知恵遅れなケダモ…ノ…」


Drunk by alcohol and self, fat belly, dull head
“A low intellect ani… mal…”

 

己と酒に酔い、太った腹、鈍い頭

「低知能の動…物…」

 

(ここでついに "i" 解禁…!)

 

 

 

 

しまったハッとしたのもつかの間
焼石に油
誹謗でぼうぼうと暴徒と化した火事は
痛い被害 以来アイは無い

 

Only a matter of moments before I realize
Oil tossed into the churning sea
The flames became a mob blazed through slander
Painful injuries, since, nonexistent affection

 

気が付くのも一瞬のこと

火の海に投じられた油

炎は誹謗に燃え、暴徒と化した

痛い傷害、以来、存在せぬ愛情

 

(「焼け石に水」という表現が日本語ならではなので、「焼け石に油」はそのまま翻訳できない。よって2行目のような訳し方にした。)

(4行目は元の歌詞と似たように "i" を多用してるので少し文としては不自然かもしれない)

 

 

 

 

 

 

「大人ならば」
言わないお約束


“If you’re a grown up”, make a
No I promise

 

「君が大人ならば」言ってみろ

いえ、約束しますと

 

(ちょっとここは意訳できない…。なのでここで解説を。)

(最初は "No i Promise" と、"i" のない約束という風にとれる翻訳にしたタイトルを、ここでは "No I Promise"、すなわち、「いえ、約束します」ととれるようにした。ただこれは必ずそうとれるわけではなく、普通に「"i" を言わない約束をしなさい」という受け取り方もできる感じの、曖昧さを残した。これは意図的で、元々の題名がいずれともとれるものなのでなんかそういう雰囲気を…。うん。うーん…。日本語に訳すとなんか違う感じがしてくるなあ。まあそういうものだと思ってくれ。はい解散解散!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この英訳は今までで一番楽しかった。縛りがある分、言い回しを考えるのにかなり頭を使った。

 

 

あと、翻訳中に何度も聴いたが、やはりこの曲は神曲。

 

私の解釈なのだが、「大人ならば」と、気を使って人の傷つかぬように超神経使いまくって生きてたが、一度酒に酔った勢いで失言し、周りに(主にネットで)叩かれる。「炎上」という文化に対する批判を唄った曲なのだろうか。

 

一度しくじればネット上での人生が終わる「炎上」というものはよくないよねっていう意見には私も賛成だけど、まあ一向になくならないし正直そういう正義振りかざした行動は金輪際なくなることはないと思う。

 

それはさておきこの曲かっこよすぎる。

 

是非聴いてみてね。

 

解散!