草加公園

若い頃、東武線浅草駅の階段にて、初老の男性が浪花節(浪曲)を唸(うな)っていた。


「旅行けば、駿河の道に茶の香り、名代なるかな東海道、名所古蹟の多いところ、中に知られる羽衣の、松と並んでその名を残す、海道一の親分は、清水港の次郎長の、あまた身内のある中で、四天王の一人で、乱暴者と異名をとる、遠州森の石松の、苦心談のお粗末を、悪声ながらもつとめましょう。」


ボリュームと渋味(しぶみ)のある素晴らしい声だった。

すでに浪花節は廃(すた)れてしまって、そんな風景をみることもなくなった。

多摩川勝太郎、広沢虎造、二葉百合子、天津羽衣は、浪曲界のスターで、彼らの声は今も耳に残っている。

以前、東大卒の家庭教師のキャラでTV出演していたケイコ先生が浪曲師に転身したが、今も続けているだろうか。

たまに渋い浪花節を聴くのも、ストレス解消になる。🍂✨






浪曲に耳そばだつる夜長かな雑音多き古きラジヲの をさむ