第二次世界大戦の最中(さなか)、ナチスによる迫害を逃れシベリアを渡って来た2万人のユダヤ人が、満州国国境にて入国を懇願します。


満州国政府は宗主国日本がドイツの同盟国であることから、それを拒否します。


しかし建国間もない満州国を守護する関東軍の樋口季一郎は、人道的見地から彼らを入国させ、保護します。


ナチスは彼らの返還を幾たびも要求しますが、樋口は聞き入れません。


トップの東條英機中将は、立場上ユダヤ人の入国に反対し、樋口をたしなめます。


しかし彼は「私は人として当然のことをしたまでです。日本はドイツの属国ではないしヒトラーの差別主義に賛成するものではない。閣下はヒトラーのお先棒をかつぐのですか。」といって反発します。


東條もここでは賢明だった。ある意味非礼なしかし道義的な樋口の主張を受け入れ、自らの責任をもってこの案件を不問に付したのです。


現在樋口季一郎は、イスラエルにおいて、ユダヤ人を救済した人々の名前が感謝のしるしとして記される書「ゴールデンブック」に載せられ、英雄の一人とされています。🌱🌙






この寒ささぞや汝(なむぢ)も辛(つら)からむ瑠璃戸(るりど)に映(うつ)る雪の国境 をさむ