東武線小佐越駅付近

俺は雲が好きです。


特に、山脈のように連なる雲の峰を見るのが好きです。


ただし、明るい気持ちで見ていません。


なんとなく、哀しい気持ちで見ているのです。


でも、その哀しみの向こうに、何か希望のようなものがありそうな気がします。


複雑な家庭環境にあった少時、そんなふうに雲の峰を眺めていました。


いいえ、人にはそれぞれ苦い思い出があるのだから、今更ブルーなことを言うのは、野暮。


雲は、海や山へと遠出しなくとも、天気さえよければ、いつでも観賞で きます。


峰雲の他に、日の出の地平線上に浮かぶ黄金色(こがねいろ)の雲、真昼の空をゆるりと漂う巨大な白雲、或いは暮れゆく空に浮ぶ紅い雲なども魅力的です。


そして、そんな風景は、どんな名画にも負けない大自然の芸術作品なのです。


梅雨があけて、正に、青空の端にどっしりと横たわる雲の峰がみられる時節になりました。


甘い、明るい、そして、おそらく厳しい未来への希望などを思い描きつつ眺めましょうか。⛅✨






湧き立つる雲に赤しや葉鶏頭 をさむ