本箱の隅から古い雑誌を引き出して捲っていたら、アグネスラムのグラビアをみつけました。
肉感的なボディーと、清楚な顔立ちのギャップが、男心を惹きつけます。多くの日本男児を虜にしただけのことはあります。
彼女はポリネシアン、チャイニーズなど五つの血の流れをくむらしい。
あれから長い時間が過ぎましたが、きっと素敵なおばさまになっていることでしょう。
さて、春とはいえまだ3月半ばですが、暖かい日が続きます。ウォーキングコースの桜木に、花芽が出ていないかと探ってみましたが、まだのようです。
しかしひと月もたたないうちに、咲き乱れることでしょう。
ところで、日本人が桜を好むのは、ぱっと咲いてぱっと散る花だからと、近隣国の友人達がいいます。
そうでしょうか。それは二義的なものだと思います。
桃源郷という漢語があるように、古代の中国人は桃花を好んでいたようですが、日本に桃の花を楽しむ文化は定着しませんでした。
理由はその色にあると思われます。美しくはありますが、その色彩は日本人にしてあくが強いように思われます。くらべて桜花の淡白な色彩は、その嗜好に合致します。
いにしえの日本人はそんな桜の淡い色に雅(みやび)を見いだし、樹下に唄い、舞い、詠み、桜文化を発展させたのでしょう。
はかなさ、いさぎよさなどの大和心との共通点を見出だすのは、武士の世になってからのことだと思いますが、いかがでしょう。
いずれにしてもふわふわと泡を噴くように咲く「そめいよしの」、垂れ枝をゆらゆらと咲く「しだれざくら」など、桜の魅力は筆舌に尽くしがたい。
ウォーキングコースの桜の裸木を仰ぎ、そんな思いをめぐらす私なのでした。
泥沼をひろびろ散れる桜かな (をさむ)