空家や、完成済新築、造成完了済み土地、リフォーム済み物件などを購入した場合の、引き渡しまでの流れについて説明させて頂きます。

これらは、「完成済み物件」といい、購入を決定してからは、概ね1か月から2か月程度が目安となります。

※未完成物件に関しては、完成後のスケジュールと考えて頂ければよいです。

※注文住宅は、建築に至る工程や、打つ合わせ期間が様々なので割愛させて頂きます。

 

あくまでも購入確定からの、大まかな日程ということでご容赦願います。

 

1.物件調査

設備・仕様・法令・制限・近隣環境などの気になることを調査します。

水災ハザードマップ、土砂災害警戒区域、市街化調整区域、区画整理事業なども調べます。

 

2.資金の組み立て

諸費用の試算、住宅ローンの返済額確認、借入先の選定、事前審査などを行います。

 

3.物件購入の申込

売主に購入希望の申込書を提出し、契約条件の確認や摺合せを行います。

 

4.売買契約締結の準備

協議が整い、売買契約の合意が得られたら、手付金や必要書類などを準備します。

 

【必要書類】

身分証明、住民票、印鑑、印鑑証明など。

※登記費用軽減用に「家屋証明」を取得する場合、「賃貸借契約書」などを用意します。

 

【手付金】

未完成物件⇒物件価格の5%上限

完成物件は⇒物件価格の10%上限

支払いは売主に対して行います。

 

5.売買契約の締結

重要事項の説明を受け、売買契約書を読み合わせ、売主・買主ともに署名捺印、手付金を売主に支払うことで売買契約が成立します。

※事前に振込送金を行うケースもあります。

 

所要時間の目安は2~4時間程度。

契約時に、売主・買主・仲介業者は同席致しますが、同席出来ない当事者(売主・買主)がいる場合は、代理者による契約となり、予め委任状(署名捺印済み、印鑑証明添付)をご用意する必要があります。

 

6.住宅ローンの本申込(本審査)

審査期間は、概ね1週間~2週間程度です。

 

本審査は複数の金融機関で行っても良いですが、実際に住宅ローンでお金を借りる金融機関は一つです。

審査は、①支店に赴いて行う ②ネットで入力で行う ③郵送で行う 

など、様々な方法がありますが、金利や対応など含め、ご自身の条件にあう金融機関を探して下さい。

一部の金融機関は自宅まで書類を取りに来てくれたりしますので、総合的に判断してください。

 

7.決済日(引渡し日)の確定

住宅ローンの本承認後に、関係者と協議して引渡日を決めます。

※引渡日=支払日です。

引渡しは平日の日中に行います。(振込、着金確認、登記などがあるため)

また、金融機関と、事前にお金を借りる契約を締結する必要があります。(4営業日、1週間前までくらいが目安です)

 

8.支払金額の確認

各種支払い金の計算をします。(残金、清算金、火災保険料、銀行手数料など)。

不動産会社の担当者から、通知されたものを金融機関へ提出したり、確認し、不足がある場合は口座にお金を入金しておくなどの準備をします。

 

9.住宅ローンを借りる契約(金銭消費貸借契約)

金融機関とお金を借りる契約をします。

銀行へ出向くケースと、電子契約でモバイルから入力する場合があります。

 

契約が締結されてから、実際に口座に入金されるまでは、3日~1週間程度かかります。

事前に住民票や印鑑証明の必要枚数など、契約に必要なものを確認し準備します。

 

10.引渡し前の現地立ち合い確認

建物に不具合が無いかの確認、土地境界の確認、設備の説明などを受けます。不具合などがあれば指摘し引渡しまでに補修を依頼します。

※補修に日数を要すため、概ね10日~2週間前までには行います。

 

11.引渡し(決済)

決済=支払いですので、住宅ローンを借りる金融機関で行います。ネット銀行など店舗が存在しない金融機関の場合は、仲介業者事務所や、売主事務所で行います。

買主・売主・仲介・司法書士など関係者が集合し、登記委任状などの署名捺印をして、準備が整えば買主の口座に住宅ローン資金が振り込まれ、同時に残金や登記費用などの振込や、出金が行われ、関係各位への支払いを行います。

着金確認と同時に所有権は売主から買主へと移り、その場で鍵などを受け取ります。

※現地へ赴いて、説明とともに鍵や書類を受け取るケースもあります。

※現金や、ネットバンキングなどで支払いをする場合は、銀行以外での決済も可能ですが、関係各位の了解を得てください。

 

(補足)

各項目に要する日数は一定では無く様々ですので、事前によく確認してください。

 

【買い替え】

買い換えのケースは、転居先を探す日数などについての協議が必要ですのでご注意ください。

※新居を建設中であれば、引渡しは、だいぶ先になることがあります。

※売主、買主、ともに買い替えの場合は、よく協議をする必要があります。

 

【オプション】

カーテンレール、TVアンテナ、網戸、食器棚など様々なものがあります。

売主で手配可能なケース(新築など)、とできないケース(中古で個人売主)があるので、予め留意して進行させましょう。

新築物件のオプションは、住宅ローンに組み込むことも出来ますが、組み込めないケースでは自己資金を残しておくなどの資金計画が必要です。

 

色々と、細かな点では随時確認が必要かと思います。

ご参考になれば幸いです。

 

不動産を購入した後に、留意する点について概要をまとめました。

以前にも記述をしましたが、長期優良住宅の運用などについての補足し修正を加えております。

それぞれの詳細部分については、掘り下げて調べる必要があることをご容赦頂けたら幸いです。

 

【購入後の注意点など】

 

1.  売買契約書・工事請負契約書・領収書の保管

「売却時」や「相続時」に使用するので、場合によっては数十年間保管することになります。

「売却時」には(利・損)益を計算し確定申告します。⇒紛失すると、譲渡所得税が発生する可能性が高くなります。

売却しなかった場合は、購入からだいぶ年数が経過してから「売買契約書(工事請負契約書)・権利証・領収書」を探すことになるので、留意しておく必要があります。

 

国税庁タックスアンサーNO.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

 

2.権利証(登記識別情報)の保管

→権利証(登記識別情報)は土地・建物、の筆数分と、名義人の人数分、発行されます。

※現在では「権利証」という名称は廃止され、「登記識別情報」と呼称されています。

 

基本的に、登記完了後、ご自宅に郵送で届きますので大切に保管してください。(司法書士持参の場合もあります)

書面には12桁の暗証番号が記載されており、これを隠すための封印がされていますので、はがさずに保管してください。

暗証番号を他人に知られると、名義変更をされたりする可能性が生じてしまいます。

暗証番号は、土地家屋を抵当権に入れる際、売却時、相続時、などの際に使用します。

尚、権利証(登記識別情報)は紛失しても再発行はされません。(名義変更などの際は、紛失したまま進行します)

 

3.  建物の建築確認済証・検査済証の保管

建築確認済証は建物の設計図書であり、検査済証は適法に建築されていることの証明となります。

再発行はされない書面ですので、大切に保管してください。

売却時・リフォーム時・修理を行う際に、あったほうがよい書面です。

 

4.  住宅瑕疵担保責任保険の付保証明など

建物の10年保証を担保する保険です。証券は売主が保有し、付保証明は買主様が保有します。

売主や工務店が倒産・廃業した場合に、使用する可能性があるので、大切に保管してください。

 

5.  「登記事項全部事項証明書」(通称:登記簿謄本)

権利証(登記識別情報)が御自宅に届く際に、この書類が同封されています。(土地・建物 各々)

住宅ローン減税の確定申告時などの際に必要となります。

念のためコピーを取っておくことをお勧めします。紛失しても、「法務局」にて容易に取得できます。

※尚、現在の制度では「登記簿謄本」ではなく、「登記事項全部事項証明書」と呼称されます。

 

6.  カードキー(リモコンキー・タグキーなどを含む)について

カードキーなどが設置されている場合は、外出時に家から閉め出されないように気を付けてください。

オートロック設定時、鍵を持たずに家を出て扉が閉まると、閉め出されて家に入れなくなります。

電池式の場合、玄関扉の電池切れの場合でもカードキーなどでは開錠できなくなります。

電源が有線の場合は停電の際にカードキーなどでは開錠できなくなります。

締め出されてしまうと、窓を壊すか、扉を壊すことになってしまうので、多額の費用を要します。

カードなどを紛失した場合は、一度全てのカードをリセットし再設定を行ってください。追加の場合も同様です。

 

7.  火災保険・地震保険

火災保険・地震保険の保険期間は最長5年間(2026年8月現在)となっています。

建物火災保険、地震建物保険、家財保険、地震家財保険が主たるもので、特約をご検討いただき加入してください。

地震による火災は、地震保険でしか担保されないのでご注意下さい。

地震保険・地震家財保険は単独で加入することは出来ず、火災保険に加入することが条件となります。

 

8.  不動産取得税について

不動産取得税は個人の自宅として購入した場合、軽減措置の要件を満たしていれば課税されません。

土地が規定以上に広い場合や、建物が築25年以上などであれば課税対象となります。

行政から誤って納税通知書が届いた場合は、納税をする前に必ず担当行政官庁に、家財対象か否かを確認をしてください。

土地購入後3年以内に、自己が使用する居住用住宅を建築した場合、軽減措置の対象となります。

※都税事務所、市役所が担当となりますので、所轄官庁にご確認下さい。

10.不動産取得に関するアンケート

行政から、不動産購入後にアンケートが郵送で届きますが、返答は任意となります。

路線価や公示地価などを調査する目的のようです。

特に回答しなくても罰則などはありません。

 

11.住宅ローン減税の申請

初年度の申請は確定申告時となり、入居の翌年の2月中旬から3月中旬までに行います。

※住宅ローンを利用されている方で、適用対象になる方のみです。

 

2年目からは、会社の年末調整時に行うのが一般的ですが、勤務先にご確認をお願いいたします。

確定申告をしている方は、毎年税務署にて行うので、ご注意ください。

 

申請に必要な書類は税務署にご確認下さい。住宅ローンの年末残高証明は銀行から発送されます。

⇒ネットで電話番号を検索する場合は、税務署○○市管轄税務署と入力すれば確認できます。

⇒電話をして、自動音声に従い番号を入力すると、有人の相談窓口につながります。

 

住宅ローン控除の確定申告の際に必要な書類

·        (1)(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

·        (2)住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

·        (3)家屋の登記事項証明書

·        (4)住宅の工事請負契約書の写し又は売買契約書の写し

·        (5)(土地の購入に係る住宅ローンについて控除を受ける場合)土地の売買契約書

·        (6)住宅エネルギー性能証明書 ※売主が発行します。有料の場合があります。

住宅ローン控除は、居住が要件ですので、当該物件に住民登録がある事。

 

12.修繕積立金

→「給湯器」10年後~18年後くらいで交換時期が訪れます。

容量によって費用は異なりますが、現在の相場では10万円~30万円といわれております。

→「屋根」「外壁」「壁間のコーキングうち替え」10年後~18年後くらいで再塗装の時期が訪れます。

面積や立地条件などにより費用は異なります。

 

13.権利証に記載される住所の変更について

不動産を購入し引き渡しを受けた段階では、旧住所(売買契約を締結した際の住所)になっているはずです。

その後、買主様が、お引越し後に住民票を移されたのちに、法務局の職権で「権利証(登記識別情報)」記載の住所変更をして頂けます。

その際には、法務局から通知がくるのですが、

①     所有権移転時にメールアドレスを登録された方はメール通知。

②     メールアドレスを登録されなかった方は、郵便にて通知がなされます。

いたずらなどではないので、その指示に従ってください。または法務局にお尋ねください。

 

14.長期優良住宅について

長期優良住宅は、新築時からの建物の固定資産税が、通常は3年間半額のところ、5年間半額になります。

但し、買主様がご自身で軽減手続きをする必要がございます。

詳しくは、ご購入されたご自宅の「固定資産税」を所管する官庁の部署にご確認ください。

 

15.固定資産税・都市計画税

名義変更された年の翌年の、5月末頃から6月頃に、「固定資産税・都市計画税の納税通知書」が行政から届きます。

1年間の4期に分けて納税します。1年分を一度に納税することも可能です。

※納税義務者は、1月1日の所有者の為、引渡し(決済)時に、その年の税額を清算することが一般的です。

 

上記は、多分に簡略化しておりますが、ご参考になれば幸いです。

【不動産購入時の諸費用】

 

購入時の諸費用は、「本体以外に必要な経費全般」のことになります。

 

概算で速算する場合は、購入物件価格の約7%~8%で計算すると良いかと思います。

 

※上記は、仲介手数料有り、住宅ローン借入有りと仮定した場合です。

※仲介手数料が無料の場合は約4%~5%で計算、割引の場合はその分を差し引きます。正規仲介手数料は(物件価格×3%+6万円+消費税)。

 

(各項目の概要)

 

①契約書類に貼付する収入印紙代

↓

1,000万円を超え 5,000万円以下のもの 1万円
5,000万円を超え 1億円以下のもの 3万円

※上記は印紙税の軽減措置適用後

 

②住宅ローンの融資手数料

↓

借入金額の2.2%が一般的です。

100万円あたり2.2万円、1,000万円の借入で22万円、5,000万円だと110万円の融資手数料。

※融資手数料・保証料など、名称は様々です。

※金銭消費貸借契約書に貼付する印紙代は必要ですが、電子契約の場合は無料です。

 

③登記費用

↓

4,000万円~6,000万円の物件場合は、概ね40万円~60万円

 

登記費用は、

・所有権移転(土地・建物)・所有権保存(新築建物)・抵当権設定・事前調査費用・報酬・交通費などで構成されています。

住宅ローンを利用せず、現金で支払いをする場合は、抵当権設定の登録免許税がなくなりますので、登記費用は安くなります。

 

④建物表題登記費用(新築の場合)

↓

新築の場合は、この費用がかかります。概ね9万円~13万円程度。

 

⑤固定資産税等精算金

↓

固定資産税・都市計画税を日割り精算します。

マンションの場合は、管理費・修繕積立金も日割り精算します。

 

※税なので諸費用とはいえないかもしれませんが、物件価格とは別に必要となるので、便宜的に諸費用としてカウントします。

 

⑥火災保険料

↓

戸建:約25万円~50万円

マンション:約20万円~40万円程度。

※マンションは鉄筋コンクリート造なので、燃えにくく、戸建てよりも保険料は安くなります。

※上記はあくまで概算で、保険の内容は、自由に設定できる為、金額は変動します。

 

⑦不動産取得税

購入した後に1度だけ課税されるものですが、居住用物件の場合は軽減措置があり、一般的な住宅であれば非課税となる場合が多いですが、旧耐震基準の建物や、40㎡未満の建物は不動産取得税がかかります。

 

⑧仲介手数料

↓

(物件価格×3%+6万円)×1.1=仲介手数料の法定上限額となります。

※税別で400万円以上の物件の場合。

 

⑨不動産売買時の消費税

↓

・「土地」には消費税はかかりません。いかなる場合でも非課税です。

・「土地付き建物」で、売主が消費税課税業者であれば、建物に消費税がかかります。

・個人が売主の場合、「建物」の消費税は非課税となります。

・不動産業者が売主の場合、販売価格は、税込総額表示の為、諸費用にはカウントしません。

 

(補足)

新築マンションの場合は「修繕積立基金」がかかります。

「固定資産税・都市計画税」は1月1日の所有者が、その年度の納税義務者となり、4月1日の税額が確定します。

 

(資金計画の例 ※概算)

新築戸建 価格4990万円

・収入印紙代:1万円

・住宅ローン融資手数料:109万7800円

・登記費用(総額):50万円

・建物表題登記費用:10万円

・固定資産税等清算金:10万円

・火災保険料:30万円

・仲介手数料:167万3100円

上記合計(諸費用総額):378万900円

※物件価格の約7.6%

 

※仲介手数料が0円の場合の合計:210万7800円

※物件価格の約4.4%

 

(まとめのコメント)

住宅ローンの借入手数料は、全額借りるか、一部を借りるかで大きく変わってきますし、諸費用の中では一番大きなウエイトを占めると思います。

登記費用は、人や司法書士事務所によって金額の変動要素はありますが、新築の場合の司法書士は売主指定なので代えることができません。火災保険も保険会社や加入内容によって変わってきますが、筆者の主観では、加入内容による変動要素の方が大きいと思います。

結局のところ、削れる可能性があり、且つ大きく削れるのは仲介手数料ということになります。

ご参考になれば幸いです。