あまりにも圧倒的な存在感。


ただそこにいる名札のついたその存在は
今までに見たことのない物体だった。



聞いたことのない声。
言葉という概念を超えた音は
そこら中に広がったが、
その叫びをぼくはひとりで聴いたんだ。


血が流れるのがわかる。






きみがどこからきてどこへ向かうのか。

ほんとうはどうだっていいそんなこと。



すべてのこたえはふたりの中に在った。


どんななまえもぼくたちには要らなくて
存在そのものがいつも走り出していた。


鉄に似た闇の味。

いつもそれは先にある。


すべてのものは闇から産まれた。


だから今、もういちどだけ。


否定してくれないかな。


そしたら世界はひっくり返る。


ぼくたちのあのときの合言葉。


否定的大肯定。