ローム、新型LSIを開発・「待機電力」をゼロに

 ロームは電子機器の心臓部となる大規 模集積回路(LSI)で、機器を使用していない時でも必要な「待機電力」をゼロにする製品を開発した。世界で初めて機器の電源を切ってもデータが残る回路 を実用化、1年後をメドに量産を始める。家庭の電力消費の5%を占める待機電力は原発1基分の発電量に相当し、省エネのカギを握っている。新型LSIは使 用時の消費電力も大幅に削減でき、白物家電、パソコンのほか、複写機など企業で使う機器への利用を見込む。

 代表的な半導体であるLSIではCPU(中央演算処理装置)で演算したデータは機器の電源を切ると消えてしまう ため、CPUに微量の電力を流し続けてデータを保存する必要があり、これが待機電力に当たる。電源を切っても保存が可能なメモリーにデータを移すこともで きるが、通常はCPUに一部データが残るため、多くの場合、待機電力が必要となる。

[2008年5月8日/日本経済新聞 朝刊]