キミは霜降り派? それとも赤身派?
霜降り肉が好きなのは
日本人だけってホント?
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「食 文化の違いで肉の好みが分かれます。日本人の何倍も牛肉を消費する欧米人にとって、脂っぽい霜降り肉は毎日食べる食材には適しません」と教えてくれたの は、株式会社食文化の荻原章史さん。肉を食べる頻度も量も多いからこそ、欧米ではあっさりとした赤身肉が好まれるそう。もちろん日本のブランド牛を愛する 欧米人もいるが、アメリカには霜降り肉を“Fat Beef”と呼んで嫌う人もいて、“Lean(赤身)”のおいしい牛肉作りが追求されているそう。
ま た、もともと赤身肉は料理に油脂を多用するフランス料理と相性が良い。フランスで最高級といわれるシャロレー産の牛肉は、脂肪分が少なく赤身肉のしっかり とした歯ごたえと味わいが特徴だそう。なにより、ワインと赤身肉は相性抜群。洋式のパーティーにローストビーフが用意されるのは、そんな理由もあるのかも しれない。う~ん、やはり欧米には赤身LOVEの方が多いようだ。ならば、日本の柔らか~い霜降り肉が特においしく感じるのはなぜだろう? 日本食肉格付協会の重信氏に聞いてみた。
「外国産の牛は一般的に短期間で太らせるため、肉の水分を保つ役目のサシが入りにくいのです。サシが少ないと調理時に水分や旨味成分が流れ出てしまいます。対して、和牛は時間をかけて太らせるため、サシが十分に入り水分や旨味成分を保った、おいしい肉になるんです」
独自の技術で“芸術”とも称される霜降り肉を作り出した日本。値段も高く、たまにしか食べられない。肉が主食ではない日本人には、そんな特別感も霜降り肉をうまいと感じる理由かもね。
(北村康行/steam)