<米ヤフー>MSとの本格的な買収交渉に応じる

5月3日19時42分配信 毎日新聞


 【ワシントン斉藤信宏】ソフトウエア世界最大手の米マイクロソフト(MS)とインターネット検索大手の米ヤフーは2日、MSによる買収について本格的な 交渉に入った。複数の米メディアが関係者の話として報じた。MSによる買収提案から3カ月が過ぎて、MS側は敵対的買収に乗り出す方向で最終調整に入って いたが、ぎりぎりの局面でヤフーが交渉に応じたという。

 報道によると、MSが敵対的買収に踏み切る方向に傾いたことで、ヤフーの一部の取締役や株主からMSとの妥協を求める声が強まった。2日の交渉では買収額を巡る隔たりは埋まらなかった模様だが、引き続き妥協点を探る見通し。ただ、交渉は決裂する可能性もあるという。

 MSは急ぎ新たな方針を発表する予定だったが、ヤフーとの交渉が継続しているため、その結果を見極めた上で判断する。MSとしても、ヤフーからの人材流出を最小限に食い止めるうえで、できる限り敵対的買収は避けたいものと見られる。

 ヤフーは、MSによる1株31ドルの買収提示額を「(企業価値を)著しく過小評価している」と拒否してきた。MSは2日の交渉の中で1株33ドルまでの 引き上げを提案したという。ヤフー大株主は35ドル以上を要求している。1株当たりの買収額を1ドル引き上げるごとに、MSは総額で14億ドルの負担増と なる。

 ヤフーはMSの提案に対抗するため、米メディア大手タイムワーナー傘下の「AOL」と提携交渉中だが、これまでのところ進展は見られない。ネット検索最 大手グーグルと提携する案も独占禁止法との絡みで実現可能性は低いと見られており、市場関係者の間では「最終的にはヤフーはMSに買収されることになる」 (米エコノミスト)との見方が出ていた。

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最終更新:5月3日21時15分