早期乳癌の手術後3か月の時点で、

希望や支援が無いと感じるか、厳しく受け止めた患者さんでは、

癌を拒否するか、戦おうと思った患者さんよりも、

5年間の無再発生存率が低かったという報告があります。

Lancet 1979;2(8146):785-7

 

肺癌患者さんの研究では、

ご家族による支援は、患者さんの健康状態を良好にする効果がありました。

Psychother Psychosom Med Psychol 1990;40(2):70-5

 

 

がん患者さんやそのご家族は、

痛みなどに対する生活の質(QOL)の改善、

不安などに対する精神心理面の改善、

告知の方法、

医療費や生活費などの経済面、

仕事の継続、

結婚・出産、などの事項に対して、

社会的なサポートを受けることが有用となります。

 

癌対策基本法にも、

がん患者さんが安心して暮らせる社会の構築 という項目で、

社会的支援が盛り込まれました。

 

 

乳癌患者さんを対象とした研究では、

社会的サポートを受けた場合の方が、

受けなかった場合よりも、予後が良いという報告があります。

J Clin Oncol 2006;24(7):1105-11Cancer 1995;76(4):631-7

J Psychosom Res 1992;36(6):531-41

 

乳癌患者さんを対象とした研究では

精神的・経済的なサポートを受けることや

社会的サポートをより早期から受けることにより、

生活の質(QOL)が改善する可能性があります。

Indian J Cancer 200;45(3):107-11

Psychoneuroendocrinology 2014;42:38-44

 

 

がん患者さんだけではなく、

そのご家族も社会的サポートを受けられることが、

患者さんにとっても有益となります。

Breast J 2009;15(6):615-22

 

ご親戚、ご友人、地域や職場の方々など、

できるだけ多くの方に支援していただくことで、

特定のご家族だけに負担がかからないようにすることが重要です。

 

 

小児癌の患者さんや、その両親や兄弟・姉妹に対しては、

学校生活も含めた、精神的・社会的・経済的支援の必要性が指摘されています。

Pediatrician 1991;18(1):20-4