心的外傷後成長（post traumatic growth：ＰＴＧ）とは、
心的外傷を生じる出来事により、
精神的にポジティブな変化が生じて成長することを意味します。
（Disabil Rehabil 2009;31(21):1709-33、
Br J Health Psychol 2009;14:343-78）
心的外傷後成長は、心理社会的支援によっても生じますが、
死に対する恐怖の経験によっても生じる場合があります。
（Support Care Cancer 2016;24(11):4607-15）
小児癌を経験した長期生存者や悪性リンパ腫を対象とした研究では、
心的外傷後成長（ＰＴＧ）と、心的外傷後ストレス障害（ＰＴＳＤ）とは、
関連性は認められなかったという報告があります。
（Health Psychol 2014;33(8):878-82、Psychooncology 2014;23(3):315-21）
心的外傷後成長には、
心的外傷後ストレス障害の経験は必ずしも必要はないようです。
乳癌患者さんの研究では、
癌の診断の初期には一部の方が心的外傷後ストレス障害を経験しますが、
癌の診断や治療後には多くの方が心的外傷後成長を経験している
という報告があります。
（Asian Pac J Cancer Prev 2015;16(2):641-6）