ヤーボイ (イピリムマブ ipilimumab) CTLA-4阻害薬
Tリンパ球のCTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原-4)に結合することにより、樹状細胞などの抗原提示細胞に存在するB7が、Tリンパ球のCTLA-4と
結合することを阻害し、それにより生じるTリンパ球の免疫抑制状態を改善する
抗CTLA4抗体製剤です。
悪性黒色腫(ほくろの細胞由来の癌)
進行悪性黒色腫に対する治療では、ヤーボイの血中からの消失は、
体重が増加するほど、または血中LDH(乳酸脱水素酵素)値が高いほど増加しますが、年齢、性別、全身状態、全身への癌治療歴の有無などとは関連しませんでした。
それは、中等度の腎障害と軽度の肝障害によっても影響を受けませんでした。
(Br J Clin Pharmacol 2014;78(1):106-17)
転移性悪性黒色腫に対して、ヤーボイによる治療では、
血中のケモカイン(C-X-C motif) リガンド11 (CXCL11) 、
および可溶性 MHC(主要組織適合抗原) class Iポリペプチド関連A鎖の値が高いと、生存期間が短くなります。
(Cancer Res
2015;75(23):5084-92)
進行転移性悪性黒色腫に対して、ヤーボイによる治療では、治療前の血清VEGF(血管内皮増殖因子)が、癌の縮小効果と生存期間に関連していました。
治療による血清VEGF値の変化は、治療効果とは関連しませんでした。
(Cancer Immunol Res
2014;2(2):127-32)
進行皮膚悪性黒色腫に対して、ヤーボイによる治療では、治療前の血清のLDH値が生存期間と相関していました。
(Cancer Immunol Immunother
2014;63(5):449-58)
悪性黒色腫細胞で、治療前の免疫反応に関与する遺伝子の発現量が多いことが、
ヤーボイによる治療効果と関連していました。
ヤーボイの投与後には、免疫反応に関与する遺伝子の発現量が増加した場合、および悪性黒色腫特異抗原遺伝子と細胞増殖に関与する遺伝子の発現量が低下することが、治療効果に関連していました。
ヤーボイによる治療効果の発現には、特定の種類のTリンパ球が癌組織内に浸潤することが重要となる可能性があります。
(Cancer Immunol Immunother 2012;61(7):1019-31)
進行悪性黒色腫に対して、癌細胞の遺伝子多型とヤーボイによる治療効果は関連しませんでした。
癌細胞でのFoxP3(forkhead box protein 3)や、
インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼのタンパク質の発現量が多いこと
癌組織内に浸潤しているTリンパ球がヤーボイの投与後に増加していること、
ヤーボイによる治療前後で免疫関連遺伝子の発現量が増加し、
癌や悪性黒色腫に関与する遺伝子の発現量が減少することが、
ヤーボイによる治療効果と関連していました。
(J Transl Med 2011;9:204)
悪性黒色腫細胞のBRAF(v-raf murine sarcoma viral oncogene homolog B)-
V600E変異(600番目のアミノ酸のバリンがグルタミン酸に変換)の有無は、
ヤーボイによる治療効果とは関連しませんでした。
(Cancer Immunol Immunother 2012;61(5):733-7)
自己と非自己を区別する主要組織適合抗原であるHLA(ヒト白血球抗原)のタイプが、ヤーボイ+ワクチン併用療法の治療対象となったHLA-A*0201型の場合と、そうでない非HLA-A*0201型の場合との比較では、
治療効果、有害事象出現率ともに差がありませんでした。
(Cancer Immun 2010;10:9)
転移性悪性黒色腫に対して、ヤーボイによる治療では、癌の縮小効果とGrade2以上の下痢の出現率に関して、治療歴の有無による差はありませんでした。
(J Immunother 2012;35(1):73-7)
ヤーボイによる消化管の免疫関連の有害事象には好中球が関与している可能性を示唆する報告があります。
(J Trans Med 2013;11:75)