二枚組の二枚目より
「・・・そして『ダルマ』という 言葉の意味は
例えば 火は熱い
熱いのは 火のダンマだ
氷は 冷たい それは氷のダンマだ
あなたは ブッダだ それは あなたのダンマだ
もっと うまく訳すなら ダンマの訳には『法』を 使うべきではなく
むしろ『本性』という言葉を 使うべきだ
ブッダとなるのは あなたの『本性』だ
時々 忘れたとしても かまわない
一生を あるいは何生にも わたって健忘症のままでいることもできる
それでもなお 底流として同じダンマが 同じブッダが 同じ意識が存続する・・・
・・・(略)・・・
・・・あなたは 忘れる
忘れることは 私たちの 本質の一部だ
ちょうど 憶えていることが そうであるように
時々 あなたたちも
古くからの知人の 名前を思いだそうとして 思い出せなかったことが あるだろう
舌の先まで 出かかっているんだと あなたは言う
どういう意味だね？
もし舌の先まで出かかっているなら 吐き出せばいい！
あなたは 自分が知っている ということは よく知っている
だが 言葉にならない
思い出そうと すればするほど難しくなる
なぜなら 一生懸命 試みるほど 回路が狭くなるからだ
精神が緊張すると 古い記憶は その緊張しているところを通り抜けられなくなる
ついに あきらめて あなたは たばこを吸い始める
たばこを吸っていると 突然それは やって来る
信じられないことだ あれほど一生懸命試みていたのに
それが 舌の先まで出かかっていたのは 知っていた
それでも 言えなかったのだ
私は ブッダはちょうど あなたの舌の先まで 出かかっている とあなたに言おう
少したばこを吸えばよいだけのことだ
少し くつろぐこと それが たばこを吸うことでやっていることだ
心理的に見たら
それは 母親の乳房だ ということも知らずに 人々は たばこや葉巻を吸っている
だからこそ たばこは それほどの やすらぎを与えているのだ
母親の乳房からは 生あたたかい ミルクが子供に流れる
たばこからは 生あたたかい煙が入ってくる
すると あなたは何もかも忘れる
あなたは 再び 純真で くつろいだ子供になる
人々の喫煙を やめさせられる政府などない
というのも たばこを吸うことが 真の問題ではないからだ
この背後には 深い心理が横たわっている
たいした学識がなくとも その心理はわかる」
・・・(以下 略)
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