で、僕は気づいたら埼玉県北のトウモロコシ畑のそばに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、アライグマが畑に侵入してトウモロコシを食べそうになったら、その子達をつかまえることなんだ――つまり、アライグマたちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっかから、さっと罠を仕掛けてやって、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。トウモロコシ畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。馬鹿げてることは知ってるよ。でも、ほんとになりたいものといったら、それしかないね。馬鹿げてることは知ってるけどさ
(「ライ麦畑でつかまえて」より。(現代日本のアライグマ駆除人風))
今週は念願叶ってこのつかまえ役になれましたよ。
昨日、これまで依頼がなかった地区の人からトウモロコシが動物に食べられてるという依頼が来まして、早速対応したんです。
地主の方はトウモロコシを作り始めた4年ほど前から被害を受けたので、すぐにこうしてネットを張って、両脇をマイカー線という頑丈なビニールの線で補強したことで被害はなかったそうなのですが、今年になって状況が一変。マイカー線を噛み切られて侵入されるようになったようです。
あとはスイートコーンを食べ放題。これはまだ雑な食べ方ですが、他では一房まるごときれいに食べられてあちこちに残骸が放置されていました。おそらく当初はタヌキやハクビシンがちょこまか来ていたところ、今年は太い牙でマイカー線を噛み切ることができ、トウモロコシ大好きなアライグマに目をつけられてしまったのでしょう。
畑の周りを探したところはっきりとアライグマの足跡発見。
もう一つの畑も同じようにマイカー線を切られてあちこちに食べかすが散乱。早速各所に罠を仕掛けました。
で、少し2つ目の畑のトウモロコシを頂きました。なんとそのままでも食べられるということなのでかじってみれば、なんとも甘い。この白い品種は通常のスイートコーンより甘さ控えめらしいのですが、それでもかなり甘く、火を通したようなおいしさだったので驚きでした。トウモロコシは生でも食えると知った瞬間です。そりゃ、野生動物が集まってくるわけですよね・・・。
そして今日、すぐに2頭捕獲があったと連絡が。
スイートコーンの畑の方では幼獣。既に2㎏60cmもある大きな子でした。
白い品種の方では大きな・・・オスが。母親かと思ったら違いました。こちらも6㎏を越えたかなり大きな個体でした。やはりトウモロコシを食べているために他の地域で捕まる個体よりも大きく育っているみたいです。
つまり、2つのトウモロコシ畑に別のグループのアライグマが来ているようですね。一方は単独のオス(他にもいる可能性ありますが)、一方は母親と子供数匹だと思います。即座に別の罠を置いておきました。できれば家族ごと捕まえたいものですが・・・。
トウモロコシ畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。
できることなら埼玉県中(お金たくさん出してくれるところ)のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。