Everything Else Has Gone Wrong | 8-hour workdays

8-hour workdays

音楽を中心に、気ままにブツブツ

「あんまんばかり,良くないよ」

 

これまでテレワークの朝食は

大抵,あんまんとコーヒーだった.

 

誰かにそう言われ,

サツマイモを買ってきて焼き,

朝はそれを食べるようにした.

 

昼飯は,以前は作り置きを

食べていたが,それを作るのが

面倒くさくなり,
昼も保存されている焼き芋を
食べるようになった.

 

芋って,割と腹持ちがいい.

ただこんな毎日,
何かおかしい.

 

飢饉でもないのに救荒作物を

連日食べている.

 

それでもこれで事足りているから

始末が悪い.

 

まあ,うちの部長も夜しか
食べないという,おかしな人だし.
陰では「ラマダン部長」と
呼ばれているけど,
何も気にしていないみたいだ.

 

転職したての時,

部長を見て,恐ろしく食べるのが

速い人だと思っていたが,

(昼休み開始と同時に食べ終わっている)

同僚に聞いたら,

どうやらそういうことらしい.

 

何かの健康法らしいが.

 

高級車のジャガーに乗っている
という事を聞いてから,
朝夕節約して買ったのか?
と思ったこともあった.

 

会社では,自分と部長は
同じ社用車を使う.
ただ自分ばかりが,ガソリンを
入れているようで,
部長の後に,ギリギリで
車を渡されることもあった.

 

「社用車にガソリンって

 入れたことありますか?」

 

ラマダン部長に訊ねた.

 

「一度もない」

 

「少なくなったら入れてくださいよ,

 危ないじゃないですか.

 途中でガソリンぎれになったら」

 

「入れ方がわからないから.

 何か会社のカードを使うんでしょ」

 

「そうですよ,それでレシートを

 経理に出せばいいんですよ」

 

顔が笑っているため,

おそらくラマダン部長は

これからも入れないだろう.

 

自分だけが,ガソリンを入れて

使っているように聞こえるが,

最近は帰りだけ,

アナ(仮名:同じグループ2児の母)に

運転をさせている.

エルサ(仮名:同じグループ30代女性)は

ペーパーなので運転はしない.

いつも助手席にいる.

 

自分は,その日も帰りは

後部座席に乗っていた.
アナの運転は安定するようになり,
順調に本社の地下駐車場まで
戻ってきたが,誰かが

うちの部署エリアの駐車スペースに
車を頭から入れて止めていた.
その隣には社長専用車が
止まっており,運転手が待機していた.

 

「エイトさん(仮名:自分),

 どうしましょうか?」

 

アナが困った顔でこちらを見た

 

「ちょっと前に出して,停まっていて,

 営業のフロアーに行って

 移動するするように言うから」

 

自分は車を降り,

スマホでナンバープレートを

撮影しフロアーに向かった.

 

「横浜の営業が何で

 こっちに来てるんだよ」

 

階段を上り,

大きな待合室に入っていいた.

 

「すいません,専用駐車スペースに

 車を止めた方はいますか.

 ナンバーは横浜・・・」

 

すぐに1人の男が近寄って来た

 

「あそこは自由に止めちゃダメなんですか?」

 

「ええ,一応決まっているんですよ」

 

「スイマセン,すぐに移動します!」

 

そう言うと男は階段を

急いで駆け下りて行った.

 

自分は後から歩いて

ついて行った.

 

地下の扉を開けると,

営業車が移動をし始めていたが,

我々の車が停まっていたため

狭いエリアでの移動に苦戦していた.

 

何回も切り返した後,
どうにかそこから出て行った.

「アナ!じゃあ入れて」

 

我々の車は狭いエリアで

ポジショニングが

悪い状態だった.

 

「すいません,エイトさん.

 交代してくれませんか?」

 

「えっ?何で?」

 

「社長車両が隣に止まっているので」

 

仕方なく自分が狭いスペースを切り返しながら

社長車からかなり離れた形で

駐車した.

 

「だいぶこっちの営業車に寄りましたね」

 

「あたりまだろ,社長車より

 ぶつけるならこっちの営業車だろ」

 

「ありがとうございました」

 

エルサはすでに居室に上がっていた.
自分たちも上に上がった.

 

「只今,帰りました」

 

部長や他の部署員に

挨拶をした.

 

「社長,今日このビルに

 来てるんですね」

 

ラマダン部長に話しかけた.

 

「今日は上の大会議室で

 営業関連の大きな会議が

 あるからね」

 

なんで本部でやらないのか,

会議室が取れなくなると,

こっちの古いビルにやってくる.

 

そのたびに自分たちは

会議室を使えず不便な思いをしている.

テレワークが多かった時は,

会議室の心配はなかったが,

出社が増えたため,

話し合いができなくなると言う

本末転倒なことになっている.

 

「腹,減ったな」

 

さすがに会社では芋を

食べていなかった.

 

何かがおかしいな.

 

テレワークを除くと

すべてがおかしい.

 

Everything Else Has Gone Wrong

 

おかしい.