毎日毎日が同じ事の連続で、その先に
一体なにがあるのかって、あなたはそう問うのね。
いつの時代も、人はそう考えてきたわ
あなたもその虚しさを問うのね
いいわ
この際はっきり言わせてもらうわ。
何も有りはしない。
それが私の答えられる唯一のことかしら。
この先に何かがある訳じゃないの
希望とか、そういうものは人の作り出したイメージであって、幻想でしかないわ
幻想は人を惑わし、苦しませるわ
目新しい変化にばかり惑わされていたら、こんなことも問うことができなかったはずよ
あなたはラッキーね
だからこそ、
あなたのいう虚しさにはちゃんと意味があるわ
あなたの負う悲しみにもちゃんとした理由が存在するの
だから正だけを受け入れて、負だけを取り除くようなことはしないで
それは元々一つのものだから
虚しさと共に、悲しみと共に生きるうち
次第にあなたは気付くわ
見方が間違っていたんだって
光は闇の向こうから降ってくるのではなく
自らの内から湧き出ているものだってことに
私が誰かですかって?
私は白猫のマリア
お忘れかしら
でも、私が誰かなんて、本当はどうでもいいことよ
そうそう、あなたに伝えておいてもらいたいことがあるの
青い羽根のシリウスを見かけたらこう伝えておいてちょうだい。
私とあなたはプラスでありマイナス、
アルファでありオメガであるってね
だから桜の木の見物に乗じて、儚さ集めしていないで、早く帰って着なさいって
そう言ってみたものの、私の声がちゃんと届いたかしら
覚束ない足取りで、散った花びらの上を歩く、
あなたのハートに