その当時、管理釣り場でルアーフライができるところがほとんどなく、
あったとしても、少し都心から離れていた。
夕方になると西武多摩川線に乗り、
是政駅まで弟と二人ででかけた。
是政橋の少し下流あたりに流れが緩やかな瀬があり、
オイカワが盛んにライズを繰り返す。
フライは家で飼っていたチャボの羽根を、
『釣りキチ三平』6巻のコラムを見ながら、
見様見まねで巻いたものだ。
小学校6年生にはドライフライの概念までは知識としてなく、
とりあえず、遠くにキャストして、
ターンさせるとオイカワが入れ食いになっていた。
そのとき、後ろからおじさんに声をかけられ、
巻いたフライや、釣れたオイカワなど、
感心し、褒めてくれた。
高校生になってバイクを手に入れて、
部活ない日曜の夕方は、多摩川原橋の上流で、
ドライフライを覚えた僕は、まだオイカワを狙っていた。
ある日、運悪く漁協のおじさんから500円徴収されて、
そのおじさんをやり過ごすと、
僕より上流でフライをやってる人がいた。
しばらくすると、僕のほうに寄ってきて、声を掛けてきた。
僕はすぐに、あのときのおじさんだと気付いた。
しかも、日本のルアーフライの伝道師、西山徹さんであることも。
「オイカワのライズはねぇ、ほんとに早いんだよねぇ~」
家が近くなので、時間があるとよくオイカワと遊ぶという。
以前、声をかけられたことを
覚えていないと言われたことは残念だったが、
その後もその場所で2回ほど会った。
西山さんに会うと、必ず漁協のおじさんに500円徴収された。
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