世の中がニューノーマルに移り変わったことを示す事例の一つとして、2023年5月にディアステほか主催の海外遠征ツアーが開催されました。正式名称「虹のコンキスタドール × ARCANA PROJECT 合同ファンツアー in 台湾」・愛称「 #虹コンアルカナ台北 」は、宿泊ホテルとVIPチケットが一緒になった現地集合プランのファンツアーとして企画・募集されています。
往路・復路は各自で調達する必要がありますが、金曜・土曜の宿および日曜のランチミーティングが含まれているうえ、VIPチケットの仕様は5月13日に現地で開催される対バンイベントおよび虹コン(選抜チーム)さんとアルカナさんとのツーマンそれぞれに優先入場できる権利となっています。
本ツアーがアルカナさんにとってエポックメーキングとなったことには理由があり、初めての海外遠征であるとともに、ユニットとして掲げる今年の目標の一つとして台湾遠征が数えられていることに加えて、虹コンさんとの初ツーマンでもあるからです。空野さんにとっては、単独戦闘型時代に台湾遠征のご経験が数度あり、桜野さんも同様。お一方が諸事情により惜しくも欠席となったため、有識者と初台湾組が半分半分という絶妙なバランスが生まれています。
ライブ自体はオープンな興行となっており、一般参加チケットが発売されるほか当日券が想定されていることに目をつけたので、土曜の朝に出発して日曜の朝に帰るプランを独自に計画し、実行に移してみました。
往路は羽田空港からチャイナエアラインで台北松山空港着。ライブ開始に間に合う便を選択したためボーディングが朝7時台となってしまい、保安エリア内での朝ごはん調達に若干苦労しました。第3ターミナル各所にはファミマの自販機があるので、妥協を許すならそれで充分にしのげます。搭乗手続きの点でも、復路が別のエアラインだったため帰りの足があることを疎明する必要に迫られたことを除くと、特に支障はありません。片道3.5時間程度の空の旅には、機内食が付いてきます。
かつては厳格だった諸手続きが全廃されたこともあって入国手続きはスムースに進み、空港を出てすぐDQウォークの挙動を試してみました。国内と大差なく、台北マップの上にメガモンもほこらも表示されています。松山空港が台北市内に立地していることを活用して、ライブ会場まで片道1時間散策し、都内を思わせるようでやはり異国情緒ある街並みを存分に楽しむこととなります。会場となるClapper Studioは、台北市内のショッピングモール「三創生活園区」内に設置されているホールで、他のフロアには家電ショップ・PCショップ・ホビーショップや飲食店も入居しています。
まずは第一部ともいえる「#DSPMLIVEEXTRA in TAIPEI」。こちらは対バン形式でお昼帯に開催され、日本からの遠征組と台湾で活躍中のアイドルさんとの共演となります。日式を謳っているからか、パフォーマンスのありかたは日本のソレとほとんど同じで、コールのほとんどが日本でも見られるものとなります。一方で歌唱については、敢えて日本語で歌う場合と、華語で歌う場合の使い分けが散見されます。MCについても同様で、おそらく遠征組への配慮なのでしょう、日本語で語りかけてくださることが多い印象です。
アルカナさんはトリ前にご登場。下記の通りアニソンアーティストとしての実力を魅せるセットリストで臨まれました。
overture
夢で世界を変えるなら
カンパネラ響く空で
MC
たゆたえ、七色
とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか
フロアへの語りかけについては、おそらく事前に予習なさったのでしょう。華語を交えたものとなったので、遠征組にとってもレアでしたし、現地組にとっても嬉しく映ったものと思います。レアという意味ではこの部で採用された衣装は初期の「カンパネラ響く空で」衣装で、空色の爽やかなイメージがとてもステージに映えます。前述の通りトリ前だったこともあってか、共演者の方々が後方でご覧になっておられたことも印象的でしたし、トリの虹コンメンバーも熱心にパフォーマンスを鑑賞しておられました。
再見のご発声で締めて虹コンさんへバトンタッチ。大トリ枠は、出演者全員による「トライアングル・ドリーマー」コラボコーナーとなりました。歌うのは本体メンバーですが、振りは皆さん見よう見まねであったり、各メンバーへ絡みに行ったりと思い思いのステージングとなり、とても微笑ましいひと時となります。
地階にフードコート、上階にメイドカフェがあったおかげで、腹ごしらえしたりお茶を飲んだりする場所には事欠かず、電気街が近くにあったことも手伝って周辺散策もしているうちに、いよいよ二部の時間が差し迫ってきます。
二部は「虹のコンキスタドール・ARCANA PROJECT 2man live」。名前の通りである以前に、遂に開催されたことに感慨の念を禁じえません。事務所こそ共通ですが、持ち歌のコンセプトもフロアの沸き方も、カラーテーマの使い方も、何もかもが異なるこの二組が交わる機会は、今まで極めて限定的でした。それぞれ気になっておられたであろうことは、第一部でのアルカナさんMCや、それを後方から見守る虹コンさんの様子で察しがつくところではありました。
アルカナさんは前半にご登場。ノンタイアップにも良い作品が沢山ある、というところを魅せ付けるようなセットリストとなります。
overture
とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか
ヒトリガタリ
MC
ウラハラセカイ
迷わないConquest
革命的レイメイ
MC 台湾の印象
恋衣
キミトナラ
快晴のエスタリスタ
虹コンさんの出番終わりにアフタートーク的な時間が設けられ、実質的に初対面ながらに双方が気にして・憧れていた経緯がアツく語られます。今後の更なる深耕が期待されるところです。
特典会も終わってツアー遠征組と別れて、帰路につきます。現地時間で21時を過ぎて辺りはもちろん真っ暗ですが、名残を惜しむ意味もあるので、台北市内を散策しつつ台北車站へ。当初の目論見では地下街で晩御飯を食べてから空港へ、と思っていたのですが着いたころには全部閉まっており、已む無くMRTで桃園国際空港へ。
翌朝0655発成田行きのSCOOTはオンラインチェックインができないため、カウンターが開くのを待つ必要があります。つまり一般スペースで夜明かしすることを意味します。当初は保安エリア内でビバークするつもりだったのですが、閉店後のフードコート内で椅子を並べて雑魚寝という貴重な体験に至ります。5月とはいえ夜は冷え込みます。生命線としてWifiのほかには、24H営業のコンビニがあったことでして、就航しているエアラインの機内食と思われるものを買って暖めてもらうこともできます。次の機会があったら、空港を出て桃園市内の夜を観光するのも悪くないかもです。もちろん、体力とスマホのバッテリー次第ですが。
漸く明け方となってカウンターが開き、搭乗券をゲットして出国手続き入国時に指紋を取ってあったので、パスポートを提示する程度でスムースに手続きが終わります。からの機内搭乗。こちらは機内食はもちろん、ドリンクの果てまで課金を要するということで、せっかくの機会なのでチェキ飯を堪能して成田へ。
事前にVisit Japanは登録していたのですが、入国手続きがその後簡略化されたので、税関でQRコードを出すのに重宝した程度となります。パスポートに入国スタンプを記念に捺してもらって、晴れて0泊2日の弾丸旅行を無事に完走しました。
丁度そのころ、アルカナさん・虹コンさん各メンバーとツアー遠征組はランチミーティング中で、その後皆さん無事に帰国なさいました。
文責 えふ