電気の街からサブカルの街への色合いを濃くしている大阪・日本橋で、毎週日曜日の午後、インターネットラジオの公開録音が行われている。この10月で放送開始1周年を迎えた「私立日本橋高校放送部校外放送」。“萌え”で日本橋を盛り上げ、大阪の新名所を目指す、“ポンバシ系地下アイドル”たちの拠点に突入してみた。
ネットラジオの公開録音は、日本橋を元気にしようと、電気ショップやサブカル&ホビーの店舗が設立した「日本橋まちづくり振興株式会社」が、昨年2月から取り組んでいる「日本橋プロジェクト」の一事業。
スタジオは堺筋沿いの「日本橋総合案内所」にあり、サテスタ=サテライトスタジオの愛称で親しまれている。
出演しているのは、日本橋プロジェクトで誕生した「大阪萌え大使」や、関西で活動するアイドルの卵、近隣のメイドカフェのメイドさんたち。昨年10月から毎週代わる代わる、思い思いのコスプレでガールズトークを繰り広げている。
ちなみに「私立日本橋高校」は、「涼宮ハルヒ」シリーズなどで知られるイラストレーター、いとうのいぢさんが日本橋プロジェクトのために描いた応援キャラ「音々(ねおん)ちゃん」が通うという設定の高校。出演者たちは、その日本橋高校の「放送部員」というわけだ。
毎週の放送音源はプロジェクトのホームページ(http://nippombashi.jp/project/)で、ネットラジオとして公開されている。
ややマニアックな説明になったが、ご理解いただけただろうか?
10月10日は、「初代大阪萌え大使」で、現在は東京で声優を目指して勉強中の三浦愛恵(まなえ)さん(20)が約半年ぶりに出演し、「2代目大阪萌え大使」の五十嵐友紀さん(18)と新旧萌え大使トークをするというので、スタジオを初めて訪ねてみた。
収録前の控室では、関係者を交え、進行や演出などの打ち合わせが行われていた。女の子は萌え大使の2人に、「ポンバシのお嬢」神田恵伽さん(17)、ゲストのメイドさんを加えた4人。
台本をおさらいしてから本番までの間、4人は「かわいい~」「そんなことないですよぉ」と、互いに大絶賛大会。趣味も近いし同世代で仲良しというのは分かるが、「私が一番かわいいよ!」と、心の中で火花を散らしあっているようにみえたのは、男のうがった見方だろうか?
スタジオ前には放送前から20人ほどのファンが集まっていた。常連さんらしい。ハロウィンにあわせて仮装をしている人もいる。スタジオ前は歩道ということもあり、あまり大勢で見学できないが、局地的な盛り上がりを感じさせる。道行く人たちは「何が始まるんだ?」と不思議そうな顔をしている。
現地で放送を聴いた印象を述べると、女の子たちのしゃべりはなかなか大したものだった。
三浦さんが先輩としてハイテンションで五十嵐さんを押しまくったかと思うと、五十嵐さんは小ボケでかわす。観客たちは持参したホワイトボードに素早く文字を書いて、すかさず突っ込む。コミュニケーションもばっちりだ。
どんな内容だったかはネットラジオできちんと聴いてもらうとして、個人的にはゲストのメイドさんがポーズ付きで唱えてくれた「早く元気になあれ、ホイミっ!」の呪文(じゅもん)で癒やされた。
ブログなどでだれもが「○○アイドル」を名乗れる時代。だが、限られた小さな空間とはいえ、実際に人前で自分を表現するのは大変なこと。
メジャーなアイドルに比べると、まだまだ手作り感、身近すぎる感が強すぎるかもしれないが、その分、サテスタはこれからの可能性を感じさせてくれる。
ところで、放送部の「顧問」を務めているのは、夕刊フジ(関西版)で「OTAKUフジ」を担当するK記者。日本橋生まれの日本橋育ち。「大阪を盛り上げたいんや。ポンバシ発のアイドルを発掘したいんや」という“萌える思い”の持ち主だ。
プロジェクトが動き出した約1年半前から、ボランティアで毎週欠かさず日本橋に足を運び、イベントの司会や裏方を務め、まさに心身を捧げている。同僚ながら頭が下がる。
アイドルの卵たちも、関係者もそれぞれの目標を目指して、信じた道を突き進んでほしい。サテスタで将来的に何が結実するかは予想もつかないが、応援してます
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