ニューヒロインが誕生した。決勝戦。グーであいこになっても、再び投じたのは、ありったけの思いをこめた力強いグー。同じく選抜経験のない石田晴香(16)を沈めた。格闘技の聖地日本武道館で、勝利の女神にキスをされたのは、元極真空手家の内田だった。
古代ローマのコロッセオ風の円形リングで、総合格闘技「PRIDE」の元ナレーターの米国人女性レニー・ハートさんに選手紹介されると、極真魂に火がついた。不敵な笑みで相手を見据えて「じゃーん、けーん、ぽーん!!」。6人斬(ぎ)りで頂点に立つと、神に祈るように手を合わせて、幸せをかみしめた。
51人の出場者の中で、最もセンターを欲してきた。6月のAKB48総選挙でチームKの先輩大島が新エースに就任すると、秋葉原の劇場公演で「私だってセンターで歌いたいんだ!! いつか必ず私がそこに立つ!!」と、堂々と挑戦状をたたきつけた。大島の横で踊るときは戦いを挑むように激しく踊り、アピールしてきた。大島も「内田は私に下克上宣言をしていたので有言実行」と笑顔で拍手。高橋みなみも「ずっと、どうしてもセンターになりたいって言ってた。それだけ強い思いを持ってたウッチーで、本当にうれしい」。選抜入りの前田敦子も「とにかく私はウッチーを支えます」と約束した。
内田 みなさん、私が内田真由美です。私は1度も選抜もアンダーガールズもなくて、じゃんけんで1番になることができました。
自己紹介から始めなければならない初々しさとハングリーさを兼ね備える内田が、スマートな選抜常連大島や前田に代わり、国民的アイドルグループを引っ張っていく。【瀬津真也】
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