「本日、コンサートにて卒業を発表させていただきました。みなさんを驚かせてしまいましたがバカはバカなりに考えて出した答えです。留学を考えておりますが改めて詳細がわかりましたらご報告させていただきます。
5年の間みなさんありがとうございました。海外へ行ってもキラキラパワー全開でがんばります。決して今日で最後ではないので今後もこんな私ではありますが小野恵令奈をどうぞよろしくお願いします!」
AKB48きっての妹キャラとして人気を集め、映画『さんかく』では、姉とその恋人を翻弄する桃を演じ、その小悪魔的な魅力が高い評価を受けた小野。彼女が卒業に至る背景をあるアイドル雑誌のライターは次のように語った。
「2006年、小野は12歳でAKB48チームKに加入。愛くるしいルックスから"天使"と称され、ロリ嗜好のファンから絶大な人気を獲得していました。しかし、08年ごろから急激にバストが成長。すると"つるぺた"好みのロリ嗜好ファンは、小野に似ていることで加入当初から話題だった5期生の石田晴香に次々と"推し変"。
華奢で小柄な石田に、かつての自分のファンが流れたことで小野は傷心します。小野の胸はさらに成長し、巷ではFカップあるともささやかれる中、小野にHey! Say! JUMPの有岡大貴との関係がウワサされました。証拠はないままでしたが、彼女は09年後半ごろからAKB48内で干されるようになり、音楽番組出演時も端に追いやられる始末。ついにシングル『桜の栞』では、彼女がデビュー曲『会いたかった』から選ばれ続けてきたシングル選抜からも外されてしまいます。そんな自らのアイデンティティを失いかけたときに彼女が出会ったのが『さんかく』。
演技を認められた彼女は女優こそ自分の天職だと思い、改めて自分を見直すために留学を決めたとも考えられます。『選抜総選挙』では昨年が11位、今年は15位と4位後退し、メディア選抜から漏れたことも原因の一つでしょう。メンバーたちは常に壮絶な競争原理にさらされ、極度のプレッシャーを日々感じているはずです」
AKB48ファンのバイブルとも言われる書籍『48現象』(ワニブックス)で、小野はファンとメンバーの関係性について言及。「私はファンの人はみんな好きです。どんなタイプの人も好き」と明言する小野に、書籍のインタビュアーは「あなたのお父さん以上の年齢の人が『えれぴょぉぉ~~ん』とか来るわけでしょう? ぶっちゃけ......キモくない?」といぶかしげに質問。すると、小野は激怒し、学校の友人にも同じことを言われると告げ、「自分を応援してくれてる人をそんなふうに言われるのって、ほんとガマンできないんですよ」と吐露。当時13歳ながら「ファンの人がいなかったら今絶対ここにいない」「お客さんの応援があるとツラくても笑顔になれるし、ヤル気が出てくるんです」と言い放った。
取材相手に激昂するほど、本心からファンへの感謝を語る彼女のその姿勢は、グループ関係なく、アイドルを応援するすべてのアイドルファンの存在を肯定し、その背中を押す一筋の光となる言葉だった。だが、時は経ち、かつて幼さの象徴とも言えるツインテールにしていた髪を潔いまでにバッサリと切り、ショートカット姿となって卒業を明かした小野。安住の地のはずだった人気絶頂のAKB48を自ら離れ、新たな一歩を踏み出す彼女の前途が洋々なることを切に祈りたい。
(文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/
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