渚にて | A perfect day for ...

A perfect day for ...

毎日アイドル!!



トゥルルルルルルルルルル

「はいはーい?」

「夏も終わるから海でも行こーぜぇ。」

「まあいいけど。」




「久しぶり。」

「太った?」

「太ったよ。」

「年とるとすぐ太るよね。」

「そうなんだよ~。 ちょっと気を抜いたらこうなっちゃった。」

「ちょっと抜きすぎでしょ」

「自分でもそう思うよ。 まあとりあえず少し散歩でもしようか。」




「…で、相変わらずアイドルを追っかけてるというわけだ。」

「そうだよ。」

「いいご身分だな。」

「でしょー。 でも最近は更に年齢層が下がって小学生ばっかりなんですよ。」

「完全にロリコンだな。」

「いやいや、たまたまかわいい子を追っかけてたら結果的にそうなったっていうだけで。」

「いやロリコンの様に見えて、ロリコンのような発言をして、ロリコンの様に振る舞うお前は立派なロリコンだ。」

「ぐぬぬぬ。」

「まあこのご時世にアヴァンギャルドといえばアヴァンギャルドだな。 お前らしいと言えなくもない。」

「更に言ってしまえば、実はガチ恋系なんだ」(ボソッ

「え? 海にコイはいないぞ。」

「いや。 そうじゃなくて最近はアイドルにガチ恋なんだ。」

「ほう。 前はあんなに否定したのに。」

「そうなんだけど。」

「小学生に恋ときたか。 もう救いようが無いな。」

「無いよね。でも小学生しかもう信用できないんだ。 もう中学生になっちゃうとなかなかねー。」

「何がなかなかねーだ。 アホか。 小学生だってこのおっさんキモいって思ってるよ。」

「そう! それ!! 小学生にこのおっさんキモッ!!て態度をとられると嬉しくなるんだ。」

「倒錯してるなー。 ドMか。」

「いやそうじゃなくて、その対応に一筋の真実の輝きが垣間見えるような気がするんだ。 高校生とかになるともうそういう態度取ってくれないんだよね。 ニコニコ笑顔で対応なんてされようものなら俺は騙されないぞと身構えてしまう。」

「ニコニコ笑顔を求めてアイドル通いしてる訳じゃないのか。 それにしてもキモがられに行くなんて…。
でも分かってて行ってんだから逆にSになるのか? いやそんな単純なものじゃないな。 」

「そうなんだよ。 一般人が外から見て思うほど単純なもんじゃないんだよ、アイドルってのは。」

「へー!! 意外と大変なんだな!! 楽しいばっかりかと思ってたよ!!
でもどう表現したらいいものか… 刺し違え系Sとでも言うのか。 誰も得してないように見えるが。」

「そこには意外と深遠な世界が広がってるんだよ。 」

「お前がややこしくしてるだけじゃないのか? カルマでもあるんじゃないのw」

「大人になると無くなってしまう感情や感性にふれるというのはとても素晴らしいよ。
そういえばもし私が神なら、私は青春を人生の終わりにおいただろう。って言ったのは誰だったっけ?」

「アナトール フランス。」

「ああそうか。 僕ももし青春がこの後に待ってるんならアイドルなんかにはハマらなかったかもね。」

「まあそうだろうな。」

「でもそうだったら長生きしないと損した気分になっちゃうね。」

「あり得ないけどな。 経験を積んだ先に青春があるなんて。」

「ああもう僕の人生なんて巨額の負債を抱えてるから潰すに潰せない会社のようだ!!
生きてててもかわいい子にキモがられるだけの人生なんて。」

「相変わらずネガティブだなぁ。 そんな言うならやめればいいじゃん。」

「いやアイドル観賞は楽しいからやめられない。」(キリッ

「そういえば、アナトール フランスはこうも言ってたな。 相互の同意による恋愛は退屈な労役に過ぎないって。」

「そう! それ!! アイドルは永遠に成就しない片思いだからいいんだよ。」

「ほんとに大変そうだな。かわいそうに。」

「そうなんだよ。 結構大変なんだよ。 楽しいけどね」

「お前のことじゃねーよ。 アイドルがだよ。」

「あ、そりゃもうアイドルはすごい大変だと思うよ。 なんで成り手がこんなにいるのか理解できない。」

「お前もその大変さの一翼を十分担ってるけどな。」





「なんか海を見てると叫びたくならない?」

「もうそんな歳じゃないよ。」

「う~!! 日本全国の肉体関係者各位に告ぐ~♪」

「やめい!!」

「はい。」

「お前は昔から変わらないな。」

「だってピーターパンだもん。」

「アダルトチルドレンの間違いだろ。」

「かわいい幼女が大好きだ!! かわいいU-15が大好きだ!! だから生き恥を晒しながらもそれでも生きてるので有ります!!」

「歪んだ愛だなぁ。」

「なにが僕をそうさせたんでしょうね。」

「昔からそうだったから先天的なものでしょ(笑)」

「そうか僕はNBLCだったのか。」

「NBLCって何?」

「Natural Born Lolita Complex.」

「下らねー。」