2024年8月28日発売の9thシングルの表題曲「夏が来たから」が、全国ツアー横浜公演で公開され、その後MVの公開がありました。
分析というには程遠いですが、この2人の物語を読んでいくことにいたしましょう。
脳内で再生、もしくは下記Youtubeをご覧いただきながら、お読みください。
ファーストインプレッション、作曲
私は横浜公演におりましたので、そちらでの解禁を聞いておりましたが、曲の不可解さ(気持ち悪さ?)をひしひしと感じており、もはや歌詞ほとんど覚えてないというレベルでした。
最初聞いた時には、なんか全体的に歌のボリューム小さくないか?特にサビの入りはもこもこしてて、何いってるかわからんぞ!という感じでした。
後で聞いてみて初めてロングトーンしていることに気が付きましたが、非常に変わった構成だなぁという印象です。
ノイミーの「≠ME」や「君の音だったんだ」「君はこの夏、恋をする」「君の音だったんだ」などの君シリーズ(そんなシリーズない)、欅坂46のデビュー曲「サイレントマジョリティ」や魔曲と呼ばれた「不協和音」を作曲されたバグベアさんが作曲を担当されており、独特で独創的な音楽に違和感を感じつつも、何度も聞くうちにクセになって聞かずにはいられないという、するめ曲になっています。
作曲的なテクニックやなぜ違和感があるのか、などについては既にXなどでも解説してくださっている方がいるので、詳しくはそちらをご覧いただければと思います。
その中で1つ印象的だったのが、「アウフタクト」です。
アウフタクト(弱起)は、最初の完全な小節の前に音符を配置するものです。多くの場合、弱起は少数の拍からなり、主要な目的は楽曲を導入することです。とのことです。
「夏が来たから」でいうと、
2番冒頭の「なつのまぼろしに~」が、
1番冒頭の「 ともだちか~」と
聞き比べると確かに、リズムが合っておらず、冒頭の「なつの」の部分の3音シ♭シ♭ミ♭が追加されています。この部分がアウフタクトとして導入されていて、しかも音程の跳躍の幅が気持ち悪いということのようです。
(ご紹介間違っていたらほんと申し訳ありません)
こういったものがたくさんあるようです。奥深きかな音楽(作曲)の世界……
1番
少し作曲の話が長くなりましたので、本題に入りたいと思います。
夏が夏が夏が来たから
戸惑ったのか
少し透けた想いに
はにかむばかりのエモーション
夏が夏が夏が夏が来たから
恋に成ったか
秋よ 歩み遅めて そこで見守ってて 2人
さっそく「夏」を連呼しており、この曲のテーマは夏であり、今は夏である、そして夏曲であることが確定します。
主語を考えながら読んでみたら、こんな感じになりました。
2行目 戸惑ったのは誰か?
3行目 透けているのは誰の想い?
4行目 はにかんでいるのは誰?
(なんか国語の問題みたいになってますが)
<私の解釈>
1行目の戸惑ったのは? → 僕
3行目の透けている想いは誰のもの? → 僕
4行目のはにかんでいるのは誰? → 僕
夏が来てしまい、恋を感じた「僕」の、揺れ動きながらも「君」に惹かれていく気持ちは夏の強い日差しで、少し透けています。
恋へと成長を遂げた想いを持ちながらも、恥ずかしがるばかりで、外に表出できていないようです。
夏の訪れに焦りを感じながらも、うまく気持ちを表現できていない「僕」の恋を、2人を、秋に歩みを緩めながら見守っていて欲しいと描かれています。
こんな感じでしょうか・・・?
細かいところではありますが、3行目の「恋に成ったか」も「恋になったか」ではなく、「成った」という表現が使われています。
「成る」という表現は、何かが成長したり、変化することを示唆しています。2人の関係はこの夏を境に一気に動き出すことになりますが、以前からの関係性や変化の具合を感じさせる表現かなと思います。(恋になった、だと突然恋に落ちたように感じる)
この後、僕視点で書かれるパートもありますが、こちらはやや第三者的な視点で書かれているようです。
友達か それとも
不明瞭な関係
僕ら2人は 予感だらけ
汗かいたコーヒー
握りしめ こっち見てる
君の瞳は湿度が高い
ふいの一瞬に胸弾む
勘違いだと思ってた
その隙は 天然か
それとも暑さがそうさせたか
夏のせいか?答えは何処に
君を君を君を君を見た時ハート震えた
青い空に負けない
君が青春そのものだ
夏が夏が夏が夏が来たから
恋が焦って
僕に期待している君の目をまっすぐ見てた
1A~サビのパートは全体的に僕目線で描かれています。
1つ目のブロックで、「僕」と「君」の関係は不明瞭だけど、初めましてとかではなく、友達なのか、友達以上恋人未満なのか、あいまいな感じが示されています。
そして2つ目のブロック、こちらが今作のベスト歌詞じゃないかと思っています!!
このブロックの動作主体は「君」であり、君が湿度の高い瞳を携えてこちらを見ています。
「君の瞳は湿度が高い」ほんとに秀逸な表現ですねぇ~
決して潤んでいるわけではなく、好きな人や気になる人を見るとき、人は無意識に興奮を覚え、ホルモンの働きで瞳の水分量が増えているのかもしれません。
「汗かいたコーヒー握りしめ」という部分も、暑い夏であることの強調でありながら、コーヒーが汗をかいたままの状態でぼーっとこちらを見ていたのでしょうか。それが次の3ブロック目の「隙」という言葉にもつながってきます。
こちらを見ていた「君」の様子は、暑くてぼーっとしてしまっていたからなのか、「天然」(うっかり)なものなのか、はたまたわざとなのか・・・
「僕」の心は弾みながらも惑わされることになります。
サビパートですが、最後の行で「僕に期待している君の目をまっすぐ見てた」の部分で、僕に期待(告白?)をしているというワードが出てきますが、この部分がコーヒーを握りながら見つめていた、「君」への推測・願望?かと思っています。
最後の表現も「まっすぐ見てた」となっており、まっすぐではありますが、やや受動的な印象をうけます。(見つめるわけでも、何か他のことをするわけでもなく、ただ見ているだけです。)
2番
夏の幻にやられて
弱虫が息する
心の中で 生きていたか
ピュアの中 混ざった
隠し味 気付いたよ
知らないふりはもう出来ないから
大胆すぎるって それすらも 言えない
僕のボロ負けで
それなのに そうなのに
先に伝えたい いま想いは
追いかけっこ 君よりもっと…
君に君に君に君に届いて
僕の鼓動よ
君が絡ませた指
熱さを感じて ヒートアップ
動け 動け 動け 動け 唇
たった2文字 単純じゃないデッカい愛
どうすれば伝わる 君に
最初のブロックで、1番で見せた湿度の高い瞳を伴う「君」の表情は、夏のせいだったんじゃないか?幻じゃないか?という弱気な心が出てきています。
しかし、2つ目のブロックで、ピュアな隙の中に混ざった隠し味(君の気持ち)に気が付き、もう見て見ぬふりはできないと決意を固めます。
3ブロック目も表現が秀逸です。君の気持ちに気が付いたことを伝えることもできない「僕」は、翻弄されていて、「君」にぼろ負けですが、気持ち(想い)を伝えたいというところだけは先走っていて・・・と2サビにつながります。
2サビでも、ロングトーンは「君」で始まります。
気付いたら指を絡ませているじゃありませんか!ただ、指を絡ませてきたのは「君」のほうで、その行動に「僕」の鼓動はヒートアップするばかりです!
もどかしいので見ているこっちが、なんかしろ!指を絡め返せ!と言いたくなってしまいます。
動け動け動け動けの部分は連呼することで、指を絡ませるくらい行動してきてくれている「君」に対して、言葉を伝えることが出来ないことに対するもどかしさが、より強調されています。
ラスト2行目の「デッカい愛」はなんでこういう表現にしたのでしょうか…?
大きさだけを表すならば「単純じゃない大きな愛」とかでもいいと思うのです。
デッカい愛とすることで、逆に愛ってなにかわかってないけど、とりあえずデッカいんだ!僕の愛は!!というやや幼稚さを感じさせる形でしょうか。
はたまた、「単純じゃない」と「でっかい愛」でなんとなーく韻を踏んでいる感じ?笑
「どうすれば伝わる」と最後はなっており、結局この段階では「君」に想いを伝えられていません。
Cメロ~ラスサビ
君に恋をした7月
8月は気持ち言うよ
(だって)ブレーキは
もうずっと効かない
この夏で完結する片想い
君が好きだ!
夏が夏が夏が夏が来たから
戸惑ったのか
少し透けた想いに
はにかむばかりのエモーション
好きだ好きだ好きだ好きだ好きだよ
恋よ このまま
汗なんかどうだっていい
君を抱き締めたい すぐに
恋をしたのが7月で、8月に気持ちを伝えるとしています。
となると、今は8月なのでしょうか・・・?
ただ、この曲のMVが出たのは7月15日で、発売日は8月28日です。
どっちともとれそうですが、最終的に歌詞を全部読んだうえでのこの主人公の「僕」の感じからすると、今は7月なんじゃね?という気がしてきました。
「ブレーキはもうずっと効かない」と、そんな状態でありながら、それでも自分の気持ちを外に出してこなかったわけですから、なかなか奥手な性格なのでしょう。
今言ってしまえばいいのに、気持ちをいうことが出来ず、「8月は気持ち言うよ」と少し後ろ向きな感じで言っているのではないかと感じました。
Cメロ最後には「君が好きだ!」と表現されていますが、これも「君」に伝えたのではなく、この夏で片思いは完結だ!君が好きだ!!という心の声が出ているだけではないかと。
ラストサビに入り、最初は曲冒頭の歌詞と全く共通です。
ここで冒頭と同じ主語の質問をしてみましょう
2行目 戸惑ったのは誰か?
3行目 透けているのは誰の想い?
4行目 はにかんでいるのは誰?
ラスサビと冒頭で曲を挟んで意味合いが変わっていると捉えることもできそうじゃないでしょうか。つまりこんな感じ↓
2行目 戸惑ったのは誰か? → 「君」
3行目 透けているのは誰の想い? → 「君」
4行目 はにかんでいるのは誰? → 「僕」
「君」も夏が来たことにより、不明瞭な「僕」との関係性に終止符を打とうと、ぼーっとしたり、指を絡ませたりと、戸惑いながらも少し行動をしています。
その結果、「君」の想いは「僕」に対しても少し透けて読み取られますが、「僕」ははにかむばかりで何も言ってきません。(上記のように自分の考えでは、この主人公「僕」は結局この夏なにも言えなさそうなイメージです。)
「僕」の「君」に対する想いは「好きだ」の連呼であふれかえりますが、ラストの歌詞で「君を抱きしめたい すぐに」で表現されているのは、抱きしめることが出来ていない「僕」の姿です。
「君を君をぎゅっと抱きしめた」とかではなく、「抱きしめたい すぐに」なのです。
いや、そこは抱きしめんかい!!!という強烈なツッコミが聞こえてきそうですが、そういう「僕」が今回の主人公なのではないかと思います。
なんなら、この夏で2人の関係性が進むことは無いのでは・・・?なんていう悲しい結末すら感じられます。
それも含めて青春なんですかね・・・(遠い目)
最後に…
さて、全体を通して読んでみたタイミングで、サビの入りで行われる、なぞの低めロングトーンは一体何なんだ?ということに目を向けてみましょう。
ロングトーンが使われている箇所は全部で3か所
① 1サビの始まり「きぃーーーー君を君を君を君を見た時」
② 2サビの始まり「きぃーーーー君に君に君に君に届いて」
③ 3サビの始まり「なぁーーーー夏が夏が夏が夏が来たから」
いずれもロングトーンしながら不安定な音程の跳躍をしていますが、ここを心情に当てはめてみると、登場人物(主に「僕」)の不安定ながらに弾む気持ちを表現していたんじゃないかなと思いました。
また、ラスサビ部分は深読みしないでストレートに読めば、好きだ!!!という気持ちがあふれ出した「僕」と「君」が、どっちが先に告白するの!?って競争してみたりなんかしちゃったりして、うまくいっちゃたりするんじゃないの!?みたいな感じで読む方が自然な気がします。
自分はひねくれているので、どーにも変な風に読んでしまっています。異論多々あるかと思います。
気が付いたら4,000文字超の長文となってしまいました。
お読みいただき本当にありがとうございました!!