永田ルリ子って聞いても、多分こニャンコか、当時のことをよく覚えている人じゃない限り、ピンとこないかもしれません。
彼女は、ソロデビューをしていないおニャン子クラブメンバー。
人気はそこそこあるけれど、トップクラスではないし、そこまで目立つ存在ではない。
けれど、おニャン子クラブには絶対に欠かせなくて、縁の下の力持ちとして、グループを支えている。
そんな「中堅」的な存在がおニャン子クラブには何人かいて(具体的に言うとラストシングル『ウェディングドレス』のフロントメンバーがまさにそうでした)、ルリルリこと永田ルリ子は、そんな中堅メンバーの代表的な存在です。
会員番号は18番で、初期から在籍。
フロント経験は多く、初期フロント固定メンバーが一新した『おっとCHIKAN』、『恋はくえすちょん』、『NO MORE恋愛ごっこ』、『ウェディングドレス』でフロントを担当(おニャン子のシングルが全9曲ですから、その約半数で中心的な位置を占めていたことになります)。
本家のシングル曲以外にも、ソロデビュー組のバックで歌う機会が多かったり、やっぱり地味な人気があったおかげか、スポットの当たるチャンスには恵まれていました。
『恋はくえすちょん』
本家シングル曲では実は『じゃあね』の次に好きだったりする曲。
一番ロリっぽさが強いのも特徴。
ルリルリは二番の最初の歌い出し「男の子はいつもいつも女の子の~」の部分を歌っている子。
麻子ちゃん&ゆうゆ&ルリルリ&生稲ちゃんとかメンバーチョイスが最高すぎる。
この収録は、どうもみんな緊張気味なのか、夕ニャン時よりパフォーマンスのパワーは落ちているのですが…
私が彼女に惹かれたのは、たまにほとんどやる気がなさそうにやっている子さえいる、ゆる~い雰囲気のおニャン子クラブの中で、いつも笑顔で、いつも一生懸命に歌っていたからです。
普通の部活動でもいるじゃないですか。
一人だけすごくはりきって部活動に勤しんでいる人。
ルリルリはまさにそういう感じで、おニャン子クラブという部活動を愛し、おニャン子クラブという部活動に、一番打ち込んでいたメンバーでした。
いつも笑顔だし、歌も正直下手だけど、いつも全力投球、いつもぶりっ子。
正直、美奈代の次に「アイドル」してたとさえ思います。
「素」が見えない、っていう点とかにしても(ただ、美奈代はかなり自然にアイドルしてたのに対し、ルリルリは「ぶりっ子してるんだろうなぁ」というのが普通にわかっちゃう感じでしたが)。
しかし、そんなルリルリの一生懸命さを「ウザい」と感じる人もどうやらいたようです。
それも、何となくわかる気がしますけど。
うーん、ルリルリって多分、目立つことや、自分が可愛いと感じる瞬間が好きな子だったんだろうなと思います(女子としてはいたって普通のことだとも言えますが)。
ルリルリの、おニャン子クラブの活動に対する一生懸命さも、多分そこからきている気がするのです(あくまで推測です)。
でも、こんな結構辛辣なことを書いてしまいましたが、私はルリルリが、ルリルリの一生懸命さが好きです。
おニャン子クラブから永田ルリ子を引いたら、それはもうおニャン子クラブじゃなくなる、とさえ思っています。
おニャン子クラブの中で、永田ルリ子はとても輝いていました。
それは、プロデューサーから、ソロデビューを断られた話からもわかるように、タレントやアイドルとしての輝きではなく、「一つのことに向き合って、愛をもって、一生懸命頑張っている女の子」としての輝き。
でも、そういう女の子って、すごく素敵だし、身近にいたら絶対惹かれるじゃないですか。
永田ルリ子は、そういうメンバーでした。
以下、動画とともに、ルリルリの魅力についてポイントアップしていきたいと思います。
『恋愛御見舞申し上げます』
ルリルリ、お城、お富さんの三人によるユニット。
普段大人しいお城やお富さんがライブのテンションになっているのを観るのもとても楽しいのですが、ルリルリの徹底したアイドルっぷりもすごいです。
仕草の一つ一つだとか、笑顔だとか、お客さんに向かってマイクを差し出したりとか…。
彼女は踊りを覚えるのが誰よりも早くて、皆のお手本になっていたらしいですが、そんな彼女のダンスがここでも光っています。
多分、覚えが早いから、覚えるだけじゃなくて「どうすれば可愛く見えるか」というところまで考えて、踊ることができるのでしょう。
『なぜ?の嵐』
会員番号25番吉沢秋絵ちゃんのデビューシングルですが、バックコーラスとしてルリルリも参加。
何が素晴らしいかって、自分が歌わない時も、歌詞を口ずさんでいるところ。
他のメンバーでそんなことをしている人はいません。
こういう、「自分は常に見られている」という意識の高さが、アイドルとしては完璧でした。
『国道渋滞8Km』
アルバム曲。
メンバーはニャンギラス+ルリルリとむっちゃん(だったかな)。
ルリルリは生だと歌はお世辞にも上手とは言えない上に、いつも全力で声を張り上げるため、余計悪目立ちするところがあるのですが(そんなところも好きですが)、レコード音源は比較的落ち着いていて、ほとんど優しい声色で歌うことも多いです。
『国道渋滞8Km』は、特にサビ部分でそういう声音になっていますかね。
こういうのを聴く限り、声質は決して悪くはないわけだし、ソロは無理でもニャンギラスの麻子ちゃんみたいにユニットデビューさせてあげれば良かったのに、と思います。
以上、永田ルリ子レビューでした。
多分、当時おニャン子が好きだった人以外にはあまり需要がないレビューだと思いますが、悪しからず(笑)