僕自身は子供が欲しかったわけではない。
子供が欲しいと悩める人たちが いることを知っているから、心苦しいのだけれども。
妻の出産に立ち会う瞬間もそういう気持ちがあった。
自分で妊娠という体の変化もないし、望んでもいなかったので受動的に親になったのである。だが、世の中は良くできている。それでも赤ちゃんは愛おしい存在に変わっていったのだ。
子育てをして、右も左もわからないまま幸せに育てたいと願っていたある日、妻が保育士に言われたというのだ。僕はそんなことを言うなんて失礼だと憤慨したことを覚えている。僕の子は発達障害かもしれないから、専門の先生に見てもらった方がいいなんて、何を言っているのだと。