息子さんがいると聞かされまさかと焦る琴子だったけど、裕樹君を見て、なぁ~んだ、この子かぁ~!
と安心し、家の中に入り、お喋りをしている琴子達。



「さっ、とうぞ」
「んー美味しい」
「ふふっ、気に入ってもらえて嬉しいわぁ、さぁもっと召し上がれ!」
「いただきます。」
「しかしおっきくなったなぁ~琴子ちゃんも。」
「ん?私お会いしたことあるんですか?」
「まだほんの赤ん坊の頃だけどね。お店で見かけたことあるよ」
「お父さんの店いらっしたことあるんですか?」
「うん!」
「もちろんだよ!俺と入ちゃんは地元九州の幼稚園児代からの大親友だよ」
「うちの家は共働きだったからねぇ~それで相ちゃん家に入り浸ってはいっつも夕飯をご馳走になってたんだよ!で、大学の時は貧乏学生だったからね、もぉー板前の相ちゃんにいっつもご飯食べさせてもらってねぇ、いやぁ~本当相ちゃんにはお世話になりっぱなしだったのぉ」
ふふふっ(笑)』
終始入ちゃんの話を微笑ましく見守りながら聞くおばさま。
なんかいい雰囲気で良いですよね~

「なん言うと!俺が店出すときたくさんお客さん紹介してくれたのは入ちゃんやろうもん」
「イヤイヤイヤ!」
「東大の同級生、取引先の社長さん、今でもお付き合いのあるお客さんたくさんおるとぞ!今の俺があるのは入ちゃんのおかげたい!」
「な~ん、お互い家庭を持って、子供を持って仕事も忙しくなってちょっと疎遠にはなっとったけどね。はぁー、あのニュース見てからビックリしてねぇ、まっ、あんな目にあったのは災難やったけど、こうやってまた相ちゃんとご縁が出来たのは本当嬉いったい!ねぇ!」
「そうですよぉ~琴子ちゃんも自分のお家だと思って遠慮なく過ごしてね。」
「はい、ありがとうございます!」
「琴子ちゃんとも不思議な円があるみたいだしねぇ~」
「ふん?」
ん?何の事だろう??
と琴子が不思議に思ってると…

「噂をすればなんとやら、お兄ちゃんが帰ってきたみたいだわ。うふふ(笑)」
「お兄ちゃん???」
もうすっかり安心しきってる琴子。
誰だろう?って首を傾げてはいるけど、入江君だとは考えてもなく入江君の存在を忘れかけたその時…
琴子が目にしたのは…
「わぁっー、はぁー、あ~あー
「どうした琴子?」
めっちゃビックリする琴子。
「元気だなぁー琴子ちゃんは」
『はっははっは(笑)』
「ご挨拶が遅くなりました。長男の直樹で。どうぞよろしくお願いいたします。」
「聞いたわよぉ~、琴子ちゃんとお兄ちゃんって同じ高校に通ってるんでしょ?」
「あぁ~、そうだったんですか!それはとうも、坊ちゃんお世話になります。ほら、琴子も挨拶して。」
立ち上がり入江君を見上げたまま固まる琴子。
琴子の頭の中は今何が何だか分からず追い付いていない状態。
最悪の予感が当たってしまった、と言わんばかりに固まったままの琴子。

「どうした琴子?」
事情を知らないお父さんは琴子の慌てぶりに何事かと琴子に聞くけど
「あっ?ん?ふぅ、だってぇ、あまりにもビックリして。いりちゃんさんと入江君あまりにも似てないんだもん」
「バカ!お前、失礼だろ!」
「はっはは(笑)イヤイヤイヤ、うちの息子達はね、どっちも母親似なんだよ。はっははっは(笑)ラッキーだろう、はっははっはは(笑)」
「もぉーパパったらぁ~さぁ、お兄ちゃんも座って」
うっすら汗もかいてる感じでめっちゃビックリして焦ってるのが伝わってきてどれくらいビックリしたのかが感じますよね。

でも誰も入江君と琴子が学校であったことなど知る由もなないので何がそんなに驚いているのか知らない皆。 
お父さんにどうしたと聞かれ、何か言わないと!って思い、とっさに入ちゃんさんと入江君は似てない、って言ったけど、多分琴子にとってそんな事どうでもいいことだったと思う。

今目の前に入江君がいる。
この状況が信じられなくて、気持ちの整理が付いてないんだと思う。

まぁでも、琴子と入江君が何にもなくても、入江君が琴子の事を知らなかったとしても、頭が良くてスポーツ万能で、性格に難があると学校では知らない人はいないくらい有名な入江君だから、この状況で目の前に現れたらやっぱりビックリはするよね。
でもまぁ今回は一悶着あったばかりだから余計ビックリするよね~

だって、告白して振られた上に、喧嘩売るようなことしちゃったんだよ。
入江君の琴子への印象は決して良いものではないはず。
琴子の気持ちとして、入江君は私が来ること知ってたの??
って思いもあるはず。
本当に琴子はビックリしただろうなぁ~
実際私でもビックリしますしね。

気持ちの整理の付かないままの琴子。
このあとどうなるのでしょうか…

PART4へ続く。