麻疹流行中!ということで、今回は、そんな麻疹についてお話しようと思います。
麻疹はどんな病気か、症状、合併症、治療についてお伝えしていきます。
麻疹は、麻疹ウイルスによる、人から人へうつる感染症です。
感染の仕方は、飛沫核感染(空気感染)です。
(前回お話した結核と同じです。感染したら他の人に感染しないように隔離での治療となります。)
潜伏期間は7-14日。平均12.5日で、長くて23日まであるという報告もあります。
潜伏期間とは感染してから発症するまでの期間なので、10日前に麻疹の人との接触していて、麻疹のような症状が出てきたら、「麻疹かもしれない!!」と考えることになります。
では、麻疹の症状って??
典型的な症状は、
① 発熱
② 咳、鼻汁、結膜充血
③ Koplik’s斑(コプリック斑)
④ 発疹
まず、発熱、咳・鼻症状・結膜充血 (cough, coryza, conjunctivitisで、3つのC)が現れ、その後Koplik’s斑がみられます。そして発熱や上気道症状が出現した3-4日後に発疹が出現すると言われています。
イメージは、①②→③→④の順で症状が出現すると思っていただければと思います。
Koplik’s斑(コプリック斑)とは、小さい白い斑点が口の中(硬口蓋・軟口蓋)にみられるものを言います。「赤い背景に塩の粒」といった表現をされます。
麻疹の発疹は、紅斑(赤くて押すと消える)で、典型的には、顔や耳の裏から現れて、体幹と四肢に広がるといわれます。手のひらや足の裏に発疹が出ることは稀です。
※Koplik’s斑や発疹の写真はこちらのアメリカ疾病予防管理センターのホームページに載っていますので、参考にご覧になって下さい。https://www.cdc.gov/measles/about/signs-symptoms.html
ワクチンを打っていても麻疹に感染することがあります。
しかし、ワクチン接種歴のある場合に麻疹に感染した場合は、通常感染した場合より症状が軽くなります。それを「修飾麻疹」といった言葉で言われます。発疹が少なく、咳や鼻症状、結膜充血がみられないこともあります。
麻疹の合併症には、肺炎、中耳炎、下痢、脳炎、角膜炎、心筋炎/心膜炎があります。
脳炎は稀ですが、急性播種性脳脊髄炎(ADEM), 封入体脳炎(MIBE)、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と3つあります。
- ADEM: 脱髄性自己免疫疾患で、麻疹感染から1日~1週間後に発症。1000例中1例の割合で発症する。
- MIBE: 急性〜数ヶ月以内に神経細胞の損傷が起きて発症する。細胞性免疫の低下で起こる疾患である。MIBEは臓器移植後で免疫不全のある小児やHIV患者で認められている。
- SSPE: 1:10,000~1:100,000のケースで発症から5-10年後に起こる麻疹の遅発性合併症。
亜急性硬化性全脳炎の発症はワクチン接種に伴って減少しているといわれています。
やはり、ワクチンでの予防は重要ですね。
最後に、
麻疹の治療はというと、対症療法です。
つまり、特効薬があるわけではなく、症状に対して対処し、自然に良くなるのを待つといった方法になります。
小児においては、ビタミンAの投与が推奨されていたりします。
対症療法で様子をみる他ないと考えると、何度も繰り返しになりますが、感染しないための予防が大切ですね。
