重症の感染症や菌血症では肝臓・胆道系の数値が高くなる時があります。

その理由についてです。

 

●ビリルビンが高くなる理由

・敗血症では、肝内胆汁うっ滞をきたし黄疸を来す


・胆汁うっ滞は、炎症性サイトカインにより抱合型ビリルビン(直接ビリルビン)の排泄が障害されることで起こる

 →そのため、採血の数値で総ビリルビン値や直接ビリルビンの値が高くなる


・その時の肝臓の病理は、肝臓組織の胆汁うっ滞、クッパー細胞過形成、炎症細胞増加に伴う実質細胞壊死・脂肪変性、門脈路のリンパ球・多形核細胞・線維芽細胞・コラーゲンの増加が報告されている

 

 

●AST, ALTが高くなる理由
・敗血症→クッパー細胞が活性化→サイトカイン放出→好中球活性化→活性酸素フリーラジカル放出→肝細胞障害→肝臓の数値が高くなる


・敗血症性ショック(感染症で血圧低下した重症な場合)で組織の血流障害を起こした場合は、AST, ALTが著明に上昇する

鑑別になるのは、胆管炎、無石性胆嚢炎、薬剤性肝障害、溶血、TPN(高カロリー輸液)