つまり照明の役割は、夜の闇を消し去ってそれを擬似的な昼に変えることではなく、闇と共存しつつ輝くことにある。
光の輪の周囲に澱む闇は、家の外に広がる夜を思いださせる。
眠りに入る前のひととき、現代人が忘れがちな、夜の暗さと長さ、怖さとやさしさを思い起こすのは、むしろ自然な生き方ではないだろうか。
台所、ユーティリティ、洗面室などの場合は、複数光源が望ましいことは同じでも、重点の置き方が少し違ってくる。
これらの部屋は、いわば作業のための空間であり、しかもその作業の手順は毎日、ほぼ一定している。
だから、作業のしやすいように、必要な場所に必要な明るさを与えることが最も大切だ。
作業をしやすいためにはまず全体が均一に近くすみずみまで明るいことが望ましい。